良かった……本当に。
その後は、シンとルイが代わりばんこで看病する。
私も途中まで頑張って起きていたのだが、
運動会の疲れかいつの間にか眠ってしまった……。
ハッと目を覚ますと自分の部屋の布団で眠っていた。
私は、慌てて起き上がるとキラ君が居るルイの部屋に向かった。
障子の戸を開ける。
「キラ君は、無事!?」
するとルイが驚いた表情をしながらこちらを見た。
何故驚いているのかしら?と見てみると……えっ?
キラ君が、私と同い年ぐらいに成長していた。
「な、何で……!?」
「……どうなっているんだ?」
転生者の成長速度は、確かに速いが。
一晩で、ここまで成長したのは、初めてだった。
私もそこまで急激に成長していないのに……。
キラ君自身も驚いてそう言っていた。
すると私の背後から……。
「ほう……回復薬の副作用で、成長のスピードを上げたようじゃな」
驚いて後ろを振り返るとキョウ様だった。
いつの間に!?
まさか、こんな早くにキョウ様にお会いするなんて思わなかった。しかもお一人だし。
「おはようございます。キョウ様」
「お、おはようございます」
ルイが頭を下げて挨拶をするので、私も慌てて頭を下げた。
キョウ様は、クスッと笑うと、扇子で口元を隠した。
「うむ……おはよう。回復薬には、魔力を元の状態に回復させる役割がある。
キラよ……そなたの魔力は強い。
そのせいもあり、何かしら影響を与えたようじゃ。
その『悪魔の声』をもっと安定させ、私の戦力なる事に期待しておるぞ?」
キョウ様が、そう言った瞬間姿を消し、あの綺麗な式神の蝶々が代わりに姿を現した。
キョウ様が、式神になっちゃった!?
私が驚いているとルイが、落ち着かせるように深呼吸をする。