キラ君の能力に驚いてしまったが、とりあえず許してもらえて良かった。
 第4皇子は、そのまま無事に返された。
フラフラしているが、多分これで狙うことはないだろう。

「良かったね。キラ君……えっ?キラ君!?」

 喜びながらキラ君を見るとぐったりしていた。
頬が赤く熱っぽい。どうして!?

「どうやら魔力の使い過ぎのようじゃな。
 その能力は、かなりの魔力を消費するからのう。
赤子の姿では、魔力も少なかろう。
 その副作用で熱を出したようじゃな」

「そ、そんな……!?」

 大丈夫かしら?
ルイとシンもキラ君を心配していた。
 急いで自宅に戻ることにする。
自宅に着くと急いで布団を敷いてキラ君を寝かせた。
 そして濡れたタオルでおでこを冷やしてあげた。

「39.6ですね。これは、高過ぎますね。
 シン。シンシアおば様のところに行って回復薬を貰って来てください」

「あぁ分かった!」

 シンは、小さくなると飛んで取りに行ってくれた。
回復薬って何だろう?それで治るの?

「ルイ。回復薬でキラ君治るの?」

「はい。回復薬は、消費した魔力を早く回復させる薬です。
 特にシンシアおば様が開発した回復薬は、効果が高いので、すぐに良くになると思いますよ」

「それなら良かった……」

 私は、それを聞いて胸を撫で下ろした。
良かった……早くなるなら。
 シンは、汗をかいたキラ君の服を脱がせて身体を拭いてあげていた。
 私は、タオルを交換してあげたり、氷枕の持っていく。

 しばらくしてシンが戻ってきた。
シンシアさんから貰った回復薬をキラ君に飲ませる。
 すると落ち着いてきたのか、スヤスヤと眠るように。
もう大丈夫だと聞いて涙が出そうになった。