冷静なルイと違い、シンは、リズさんを警戒していた。
私もどうしたものかと考える。
チラッと見るとキラ君も複雑そうな表情をしていた。
大丈夫かなぁ……キラ君。
彼は、元獣族の第8皇子だった。
家族に敵意を向けられるかもしれないと考えると、きっと複雑な気持ちだろう。
出来たらに憎み合わずに和解出来たらいいけど……。
そんな風に考えていた。
しかし、その気持ちとは裏腹で、夜に
キョウ様から呼び出しがあった。何の用かしら?
緊張した物腰でキョウ様の部屋に向かった。
部屋に入るとキョウ様がお茶を飲んでいるところだった。
「カレン。そなたの学校で、もうすぐ運動会という余興があるそうだのう?」
「は、はい。そうですが……」
何故それを知っているのかしら!?
キョウ様から運動会の事を聞かれて驚いてしまう。
父親の立場でも、キョウ様は、こういうのに興味がないと思っていたからだ。
「子供達の余興を見るのも、また一興かもしれぬな。
今回のは、私も見に行くとしよう」
「えっ?キョウ様がですか!?」
私だけではなく、ルイやシンも驚いていた。
だって……運動会を見に来るなんて!?
しかもあのキョウ様が……。
「お身体は、大丈夫なのでしょうか?」
身体の心配をするルイ。だがキョウは、クスッと笑う。
「心配いらぬ。楽しみにしておるぞ。
どんな余興を見せてくれるか」
「は、はい。上手く行くように頑張ります」
大変なことになった。
よりにもよってキョウ様が見に来るなんて……。
運動会は、家族が見に来てもいいイベントではあるが相手は、妖精界1番の長老であり、当主だ。
何よりこの世と思えないほど美しいキョウ様が見えたら騒ぎになるだろう。そうなったら大変だ!