はしっこにいろんな種類のオムツが山積みになっていた。
えーと0歳サイズのは……あ、これね!
私は、背伸びをして取ろうとする。
うーん、もう少しなのに……届かない。
「お前には、無理だって……ほら」
そう言うとシンがオムツの入った袋を持ち上げて私に渡してくる。
あ、もう少しだったのに……。
自分で取りたかったと頬を膨らませる。
すると近くで見ていた年配の女性が笑っていた。
「あらあら、パパのお手伝いだなんて偉いわね。
さすがお姉さんね」と言われた。
お姉さん……。
その響きに私は、心臓がドキドキと高鳴った。
私は、一人っ子だったから兄弟が欲しかった。
だからお姉さんと言われて、くすぐったくも嬉しいと思ってしまった。
そうか……私、お姉さんなんだ!
「ねぇねぇ私、お姉さんなんだって」
「それよりパパだと思われてるんだけど?
俺……独身なのに」
ちょっと嫌そうな表情をするシンだった。
何で?いいじゃない……パパって呼ばれても?
実際に、こんな見た目が若くてイケメンな父親が居たら自慢だろう。
実際年齢だと祖父ってよりご先祖様ぐらいに年の歳があるけど。
妖精族と人間は、年齢の感覚が違う。
年齢を重ねても年を取らない妖精は、若いままだ。
自由に老けたり、若返ることも出来るらしいが……シンの場合は、200歳。
こんなイケメンで若い200歳とは驚きだろう。
妖精からしたら20歳ぐらいらしいが……。
チラッとそう思いながら、店内を見ると冷凍コーナーが見えた。
そこにアイスも置いてある。あ、アイスだ!
私は、シンの言葉を無視してアイスコーナーにダッシュする。
「あ、こら待て。俺を置いて行くな……ってか。
オムツを置いて行くな!?」
シンは、カゴとオムツを2袋持って私を追いかけた。
私は、気にすることなくアイスを選んでいた。
カップアイスもいいけど……ソフトクリームもいいわね。
あ、チョコミントもある!
どちらにしようかと悩んでしまう。
結局、散々迷ってアイスコーンにした。
コーンの上にアイスが乗っておりチョコが、かかっているやつだ。