その後も夏休みを十分に満喫した。
花火大会もしたし、また湖に遊びに行ったり、シンシアさんが居るお店にも遊びに行った。
するとあることに気づいた。
ここには、公園がないことに……。
小さな遊び場はある。しかし人間界みたいな公園がないのだ。
私みたいな大きいサイズが無いのは不便だ。
キラ君や凖妖精のサリー達とも遊べない。
どうにかして創れないかしら?
私は、そのことをシンに相談してみた。
「公園か……なら大工の親方に相談してみたらどうだ?
あの人なら創ってくれるかもしれないぞ」
「大工の……親方?」
「そう、妖精界の大工。正妖精のヴェルドラだ!
妖精界の建物は、ほとんどその人が創ったものなんだぜ」
「すごーい!!」
妖精界に大工が居るのも驚きだが、その人がほとんどの建物を創っているなんて凄い。
どんな人かしら?
その人なら公園を創ってくれるかしら?と期待をしてしまう。
早速シンにねだり親方に会いに向かった。
街の隅にある家で生活をしているらしい。
シンは、小さな家に声をかけると中から年配の男性が出てきた。白銀の髪に短髪。
つり目で怖そうな雰囲気の60代ぐらいの人だった。
「何だ……シンの坊主か。何の用だ?」
「よう、親方。実は、お願いしたいことがあってよ」
「はぁ?お願いしたいこと?」
シンが詳しく説明してくれた。
その際に私が描いた設計図も見せた。
すると親方は、うーんと見ながら考え込んでいた。
「なるほどな。要は、人間の公園を創ればいいんだな?
ブランコとか、滑り台とか」
「そうそう。出来そうか?」