「継いで?シンのお父さんは、何してる人?」
「あっ?俺の親父は、妖精界にある図書館の司書官だよ。
俺と同じ『記憶力』の能力を持っているけどな」
「そうなんだ~!!」
これは、またまた意外な事を聞いてしまった。
妖精界の図書館か……。
それってどんな本があるのかしら?
もしかして人間界ではない珍しい本とかあったりして
「おいおい。まさか行きたいとか言うなよ?」
「えっ?何のこと?」
そう言いながらキラキラした目でシンに訴えてみた。
もし珍しい本があるのなら夏休みの宿題である、読書感想文が書ける。
1年生だから簡単でいいと言っていたが、せっかくなら面白い本を読んで書きたい。
目的を理解したのかシンは、ため息を吐いていた。
シンシアさんとマリーさんは、それを見てクスクスと笑っていた。
「フフッ……あんたもすっかり子供に甘くなっているわね?まるで父親みたいよ?」
「やめろ。俺は、独身だ!」
シンは、シンシアさんの言葉にうんざりした表情をする。
父親だとからかわれるのが嫌なのかな?
でも、最近お父さんっぽいんだよね……お兄さんってよりも。
結局、散々目で訴えて連れて行ってもらうことに。
シンシアさん達と別れるのだが、帰り際に『チビチビナール』を分けてくれた。
入るのに役に立つだろうからと……。
私とキラ君にもう一度かけてから、シンのお父さんが働いている図書館に向かった。
少し街から出た小さな洞窟に存在していた。
中に入ると凄い……洞窟だったはずなのに。
中は、市民図書館以上の広さがあり、たくさんの本棚が並んでいた。
3階まであるし……どれだけの本があるのかしら?