余計に怒ったキラ君は、暴れ出した。
その内に持っていたシンの手にかぶりと噛みついてしまう。

「い、痛っ!! 噛むな。
 それよりも、キラ。いつの間に歯が生えてきたんだよ!?」

「えっ?」

 どうやらキラ君は、すでに歯が生え始めていた。
……いつの間に?
 キラ君は、私よりも成長速度が速かった。
早い段階で追い付こうとしているのが分かる。
 すると女性の笑い声が聞こえてきた。

誰?と振り返るとシンのお母さん・シンシアさんだった。
 小さい身体のままだが、セクシーな黒のビキニの水着姿だった。
 さすがシンシアさん。
ナイスバディ……いや、ダイナマイトボディだわ。

「シン。あんた……何子供に噛まれてるのよ?
もう……ウケるわねぇ~」

 シンがキラ君に噛まれたことに爆笑していた。

「うるせーよ。というよりおふくろ。
なんちゅー水着を着ているんだよ?いい年して」

「あら、似合うからいいじゃない。
 しかし、あんた。随分と板についてきたわね?子育てに」

 シンシアさんは、そう言い返すとポンッと音と共に大きくなった。
 シンシアさんは、正妖精だ。
大きくなるとより、セクシー差が目立つ。
 溢れるような胸にキュッと締まったウェスト。
シンと同じ綺麗な金髪は、腰まで長くてシワ一つない。
 どう見ても、こんな大きい息子が居るとは思えないほど若く見える。

「別に板についてねぇーだろ。
むしろ手を焼いているよ。コイツに……」

 そう言いながらキラ君を見る。
キラ君は、ムスッとしているけど……。
 シンシアさんは、それを聞いてクスッと笑う。

「あんたの接し方の問題でしょ?
 ほーら坊や。私のところにいらっしゃい。
この馬鹿息子より私の方が全然いいでしょ?」

 シンシアさんは、そう言いながらキラ君に手を差しのべてきた。
 キラ君は、少し戸惑うが、何故かそのまま抱っこを受け入れた。

 えっ?キラ君……!?