「それは、知っているよ。でも元は、獣族でしょ?
そんな危ない子をカレンのところに置いておいていいわけ?
野放しにするなんて危ないよ!」
「ルウト……!?」
ルウトの言葉に唖然とした。
まさか彼の言葉からそんなことを言ってくるなんて思わなかったからだ。
危ないとか、そんなことないのに。
するとキラ君は、そのままポチャンッと湖から落ちてしまった。
き、キラ君!? た、大変……助けないと!!
ルイ達も慌てているとキラ君は、ムクッと湖から顔を出した。
そしてスイスイと泳ぎ出したではないか。
キラ君……泳げるんだ!?
ただし、泳ぐと言っても犬掻きだが。
そして途中で止まることもなく、私のところまで来てしまう。
浮き輪にしがみついたので、私は、急いで落ちないように抱きついた。
するとキラ君は、ニヤリと自慢げにルウトを見る。
その瞬間、ルウトは、カッと顔を赤くしていた。
「ぼ、僕は、認めないから。獣族なんて!!」
怒ってそのまま飛んで行ってしまった。
半分涙目になっていたような気もする……。
私は、余計に唖然としてしまう。
えっ?何であんなに怒っているの?
するとシンは、ゲラゲラと笑っていた。
「アハハッ……青春だな。
モテる女は、辛いな。カレン……」
「モテる女……?」
まったく意味が分からずに、きょとんとする。
シンは、まだゲラゲラ笑いながらも上着のパーカーを脱ぐと、湖の中に入ってきた。
そしてキラ君をひょいと抱き上げた。
「うぅっ~」
まだ泳ぎたいキラ君は、手足をバタバタして抵抗する。
「大人しくしていろ。泳げるのは、いいが勝手に泳ぐなよ。
落ちたと思って焦るだろーが!!」
「うっきゃう……」