もう……この2人は、食いしん坊さんなんだから!
私は、呆れながらため息を吐いた。
 そして何とかお弁当作りを終わらせる。
ルイは、他に卵焼きやカラアゲなどを作ってくれた。

 お弁当をバスケットに入れて湖に出掛けた。
湖と言っても妖精界の湖だが。
 凄く透明で綺麗な水海で魚達も小さい。
身体の小さい準妖精達が誤って呑み込まれないためだ。

 水着は、早く泳げるように自宅で着替えた。
その上にワンピースを着ればOKだ。
 そして、妖精界の街を通り抜けて湖まで向かった。

 いつ来ても本当に透き通るぐらいに綺麗だ。
準妖精の子供達や大人も水遊びを楽しんでいた。
 私は、急いでワンピースを脱いで、軽く準備運動すると浮き袋をつけて中に入っていく。

 湖は、常温になっているのか、そこまで冷たくない。
でも凄く気持ちがいい。
 浮き輪にプカプカさせながら泳ぐと妖精の子供達がこちらに来た。

「あれ?カレン。君らも来たの?」

「あ、ルウト。久しぶり~うん。
泳ぎの練習も兼ねてね」

 彼は、準妖精のルウト。
1年半ぐらい離れた私の男友達だ。
 金髪で緑色の目をしていて穏やかな性格をしている。

「そうなんだ?」

 嬉しそうに、こちらを見るルウトだったが、湖を覗いていたキラ君と目が合った。
 海水パンツを穿かせてもらったようだ。
するとルウトは、険しい顔でキラ君を睨みつけていた。

 穏やかなルウトとは、思えないほどだ。
もちろん、それに気づいたキラ君も同様に睨み返したが。
 バチバチと火花が飛びそうなほどに……。

「えっ?ちょっと、どうしたの?ルウトも?」

「……話しは聞いているけど。
 何で元獣族の子が、ここに居るの?」

「えっ?それは、キョウ様から許可を頂いて。
もう妖精族一員だし」