私は、物心つく頃から心臓が弱かった。
何度も手術をしても治る見込みがないと判断される。
残すは、移植手術のみ……。
しかし虚しくもドナーの順番が回ってくる前に私は、この世を去ってしまった。
儚い命だった……。
しかし妖精族の美しき長である・キョウ様のご好意で
私は、妖精として転生させてもらう。
その世界は、不思議なものでいっぱいだ。
まず妖精には、正妖精と準妖精の制度がある。
準妖精は、大きくなれず能力も弱い。
正妖精は、身分も高く自由に大きくも小さくもなれる。
私は、転生者だからか、最初から赤ちゃんなのに大きいままだったが……。
お世話係として正妖精のルイとシンのお陰で、私は、すくすくと大きく育つ。
しかし成長につれて私は、小学校に行きたくなった。
前世で、ほとんど小学校にも通えなかった日々。
元気になったら今だからこそ……。
キョウ様に頼みお許しをもらい通えることになった。
そこで出会ったのが同じあやかしでも
獣族の第8皇子のキラ君。
最初は、一匹オオカミみたいな彼に近づけなかったけど、少しずつ距離を縮めて仲良くなった。
だが、妖精族と獣族は、仲が悪い。
私を狙い襲わせたりした。
しかし、そのたびにキラ君が守ってくれた……。
キラ君の兄弟のせいで傷を負い、そのせいで彼自身が命を落とした。
悲しむ私にキョウ様は、同じように転生させることで命を助けてくれた。
新たな身体を貰い妖精族になったキラ君。
我が家に新しい家族が増えた。
喜ぶ私だったが……獣族とキョウ様の真意は、いかに?