だが、そのあとで新選組幹部の離脱や隊内粛清が相次ぐ。
大政奉還、沖田総司肺結核発症(この時期には諸説あり)、戊辰戦争……。
流れゆく歴史の中で、幹部たちも散り散りになっていく。とうとう土方さんと近藤勇との間も別たれてしまった。
ひとりきりになった土方さんは、旧幕府軍と合流し、残った隊士や新しく募集した隊士を連れて、北上する。各地で激戦を繰り広げるが、結果はついてこなかった。
討幕軍──勝ち続けた彼らは官軍となった──に追われ、北上し続け、最後は北海道に辿り着く。
最後の最後まで官軍に抗うが、馬上で軍隊を指揮していた土方さんの腹を、銃弾が貫いた。
土方歳三、享年三十五歳。
「う……ぐずっ……」
途中から、読むのをやめようと思うくらい、しんどい人生歩んでる……。
仲間が戦争で次々に命を落とすくだりは、不覚にも泣いてしまった。そして、土方さんが死んでしまった描写で、涙腺完全崩壊。
今私が暮らす平和な世の中からは考えられないような激動の時代を、土方さんは生きていたんだ。
「水分が足りない……」
部屋に置いてあるペットボトルの水を飲み干してしまった。飲めば飲んだだけ涙になってしまい、結果喉が渇く。