って、身分証明もないのにスマホが契約できるのかな。いや違う。そんな話をしているわけではない。

「話を戻しましょう」

 私が割って入ると、沖田くんは「ごめん」と舌を出した。

 ご機嫌の沖田くんとは反対に、土方さんは腕を組み、ため息を零す。

「とにかく、どうしてこうなっちまったのかは、わからん。が、俺は美晴のおかげでここに置いてもらえることになった」

「美晴が土方さんを発見したの?」

「ああ。行き倒れていた俺を介抱して、食事を与えてくれた。この身なりを整えてくれたのも彼女だ」

 沖田くんの視線がゆっくりとこちらに動く。なにかを疑っているような視線に、全身が絡めとられるみたい。

「まさかとは思うけど……美晴、もう土方さんとそういう仲なの?」

「は?」

 曇りなき眼で見つめられるけど、なにを聞かれているのか一瞬わからなかった。

「土方さんはこの通り、現代で見てもめっちゃカッコイイじゃん。一目惚れしちゃってもおかしくないもん」

「えっと? つまり私と土方さんが付き合っているとか、そう思っているの?」

「違うの?」