それから一時間後の午後六時。とうとう暴風警報が発令された。
停電する前にと、いつもより早めに夕食にした。寮生たちは「明日休みにならねえかな」と口々に言っていた。気持ちはわからないでもないが、台風は夜のうちに通り過ぎる予定だ。彼らにとっては残念な結果になるだろう。
全員が食べ終わったあとの食器を片付け、多目的室の窓の補強を確認しに行く途中、廊下の窓から、眩しい光が差し込んだ。驚いて身を屈めると、ドオンと落雷の音が響いた。建物に叩き付ける雨音がますます強まる。
「ひっ」
思わず身をすくめる。続けて強い光が目をくらませたかと思えば、鼓膜が破れるかと思うくらいの轟音が寮全体を揺らした。
「ひいいいいい」
慄いた私は、膝を抱えてその場にうずくまった。まるで爆弾が至近距離で落ちたかのような衝撃だった。
身を震わせていると、すぐに静けさが戻った。と思ったら、雷の代わりに、外から強く叩きつける風雨の音が聞こえてきた。
「今、近かった。絶対に近かったよ……」
光の眩しさ、音の衝撃、共に今まで感じたことがないくらい強かった。近くに落ちたに違いないと思ったけど、廊下の灯りは消えずに私を照らしている。
停電する前にと、いつもより早めに夕食にした。寮生たちは「明日休みにならねえかな」と口々に言っていた。気持ちはわからないでもないが、台風は夜のうちに通り過ぎる予定だ。彼らにとっては残念な結果になるだろう。
全員が食べ終わったあとの食器を片付け、多目的室の窓の補強を確認しに行く途中、廊下の窓から、眩しい光が差し込んだ。驚いて身を屈めると、ドオンと落雷の音が響いた。建物に叩き付ける雨音がますます強まる。
「ひっ」
思わず身をすくめる。続けて強い光が目をくらませたかと思えば、鼓膜が破れるかと思うくらいの轟音が寮全体を揺らした。
「ひいいいいい」
慄いた私は、膝を抱えてその場にうずくまった。まるで爆弾が至近距離で落ちたかのような衝撃だった。
身を震わせていると、すぐに静けさが戻った。と思ったら、雷の代わりに、外から強く叩きつける風雨の音が聞こえてきた。
「今、近かった。絶対に近かったよ……」
光の眩しさ、音の衝撃、共に今まで感じたことがないくらい強かった。近くに落ちたに違いないと思ったけど、廊下の灯りは消えずに私を照らしている。