涙を拭って聞く土方さんの顔は、自信に溢れていた。もう答えがわかっている顔だ。

「はい、惚れてます」

 うなずいた私を、彼は満面の笑みで抱き上げた。

「ったくお前は、かわいいったらねえなあ」

 抱き上げた私に、土方さんは遠慮なく口付けた。

 長い長い口付けが、離れていた時を埋めてくれる。


 きっと彼は、満足して先の命を終えたのだ。

 そして今、約束通り私のところに戻って来てくれた。

 気の遠くなるような時間を超越して。

 これからもっとずっと長い時間を、一緒に過ごしましょう。

 季節が移り変わっても、私の想いはなくならない。何度でも咲き誇って、あなたを抱きしめるでしょう。


 
 見上げた空は、雲ひとつない晴天。

 太陽も風も空気も時間も、みんなが笑って、私たちを祝福しているような気がした。


【完】