間違いない。土方さんだ。土方さんだ。土方さんが、いる。

 大粒の雫が、ぼろぼろと零れた。

 体中が熱い。どうしていいかわからず、ただただ涙が溢れる。

 顔を覆って嗚咽を漏らす私に、土方さんが駆け寄る靴の音が聞こえた。

「こんなハレの日に泣くやつがあるか」

「だって、だって……」

 こんなに早く会えると思っていなかった。だって、生まれ変わっても私のことを覚えていてくれたなんて奇跡じゃない。

 彼は約束を果たしてくれた。自分の道を貫いた彼の生きざまは、現代の人の心を強く勇気づけている。

 つらかっただろう。新選組副長なんて、辞めたいと思う日もあっただろう。仲間に裏切られ、泣いた日もあったはずだ。

 すべてを乗り越えて、土方さんはここにいる。

 まったく別の人間になって、過去のことなんて忘れて、生きてもよかったのに。

「美晴、今でも俺に惚れてるか?」