「大げさな奴だな。まあいい。これからも大いに励めよ」

「はいっ。行ってらっしゃい! あ、僕はおふたりが付き合っていても全然いいと思います。他の寮では夫婦で住み込んでいる寮母さんもいるって聞くし」

「は? 突き合う? 剣術か?」

 湊くんの冗談は、土方さんに通じなかったようだ。誰が新選組副長と突き合いますか。死んでしまうわ。

「あはは、やだなあ湊くん。じゃあ、またねー」

 私は怪訝な顔をしている土方さんの背中を押し、その場を離れた。