「飛び込まないでも、手足を鴨川につけてみるとか色々やってみればよかったのに。美晴はどうして透けたってことを、黙っていたの?」

 彼の言葉は飾りも遠慮もなく、私の心に重くのしかかる。

 言われても仕方ない。私自身、今すごく後悔している。自分の心ひとつで、土方さんが幕末に帰る機会を失わせてしまった。土方さんの道は、土方さんにだけ、決める権利があるのに。

「美晴を責めるんじゃねぇ」

 土方さんが低い声で一喝した。

「そうだ、滅多なことを言うなよ。俺だってその場にいたら、自分の見間違いだったと思うかもしれない」

「別に美晴を責めているわけじゃないですよ。見間違いでも、そうじゃなくても、黙っている必要はなかったと思っただけです」

 沖田くんは軽やかに腰を上げ、部屋から出ていこうとする。原田先生はまだ言い足りないらしく、彼を追って部屋を出ていった。