それとこれとは違う。義父はろくでもなかったけど、暴力は振るわなかった。私はただ、年頃の女子らしく、あられもない想像を勝手にしていただけだ。
「……いいえ、大丈夫です。すみません。勝手に取り乱しまして」
こうなったら、いつまでも意識している方が格好悪い。土方さんは昔は夜這いもしただろうけど、今はそんな人じゃない。信じてさっさと休もう。
「俺を男として意識してくれているなら、いくらでも期待に応えるが」
「してませんっ!」
またからかわれた。ムキになって否定する私を、土方さんは意地の悪い顔で笑って見ていた。
もう。どういうつもりで言っているのか。ひとの心をかき乱さないでほしいよ。