『じゃあね、おやすみ。あ、くれぐれも施錠はしっかりね。土方さんに襲われないように』

「こら。なに言って」

 最後に私をからかった沖田くんは、人とは思えないタイミングで電話を切った。

 信じられない。話の途中だったのに。

「総司、なんだって?」

 土方さんに顔をのぞきこまれ、ドキリと心臓が跳ねた。

「楽しく平和にやっているそうです。みんな、私たちが思っているよりもしっかりしているんですね」

「そりゃあよかった。あいつらも成長したな。なによりだ」

 彼は前髪をかきあげて笑った。その仕草が色っぽくて、余計に鼓動が早まる。

 いけないいけない。沖田くんの言葉に惑わされすぎだよ、私。

 スマホを土方さんに返し、歩いて駅に戻り、荷物を持ってホテルに向かった私たちは、思いもしない問題に直面した。