私は木原先輩と付き合いたい。だけどこの拳銃を本当に使うべきか。木原先輩を撃つ、そんなことをしていいのか。
迷いながらも、私はいつしか教室から出ていた。
「田中まどかさん」
「はいっ?!」
反射的に拳銃を背中に隠し、振り返ると生徒会副会長の安藤亮平くんが苦笑していた。
「そんなに驚かなくても。なにしているんですか」
「ちょっと人を探してて。あ、安藤くんは?」
「最近、放課後に教室でたむろする生徒が多いので生徒会で見回りを」
「そっか、ご苦労様」
じゃあ、と言いながら後ずさり。とりあえずこの場を切り抜けて木原先輩を。
「その隠しているものはなんですか?」
「え?」
ビクッと身体が硬直。安藤くんはこっちに近づいてくるのに身体が言うことを聞かず動けない。
「僕もそんなに厳しくしたくないんですけど、一応ルールなので学業に関係ないものは没収しなくちゃいけないんです」
さぁ、と腕を伸ばす安藤くんに引っ張られ、背中に隠していたものが見つかってしまう。
安藤くんは唖然、と言った様子。そりゃそうだ。
どうしよう、なんて言えばいいんだ。これは天使からもらった拳銃で、本物ではないけど、本物と同じ威力で。だから銃刀法違反ではなくて。えーっと。
「エアガンですか。どうしてこんなものを」
呆れた声の安藤くん。そりゃそうか。誰も本物なんて思うわけないか。安心するも束の間、安藤くんは拳銃を握る。
「没収しますけど、後で職員室に取りに来てもらえればすぐに返してもらえますので」
「いや、それはちょっと」
私は反射的に拳銃を引っ張る。
「いやいや……」
「いやいやいや……」
拳銃を介した引っ張り合いは回数を重ねるごとに勢いづいていく。
「いい加減にしてください!」
「引っ張らないで!」
奪い取られそうになり、私は手に力を込めると指先がトリガーに引っかかり、そのまま握るとトリガーが押し込まれる感触が指先から脳へと響く。瞬間。
バンッ!
銃弾が発射された反動で私も安藤くんも転げた。床に尻餅をつき、天井を見上げるとそこには銃痕がくっきりとついている。
「ほ、本物……?」安藤くんのわなわなとした声。なんとか誤魔化さないと。
「あ、安藤くん……」
安藤くんは私を見ると一目散に走り出してしまった。
「せ、先生ー!」
迷いながらも、私はいつしか教室から出ていた。
「田中まどかさん」
「はいっ?!」
反射的に拳銃を背中に隠し、振り返ると生徒会副会長の安藤亮平くんが苦笑していた。
「そんなに驚かなくても。なにしているんですか」
「ちょっと人を探してて。あ、安藤くんは?」
「最近、放課後に教室でたむろする生徒が多いので生徒会で見回りを」
「そっか、ご苦労様」
じゃあ、と言いながら後ずさり。とりあえずこの場を切り抜けて木原先輩を。
「その隠しているものはなんですか?」
「え?」
ビクッと身体が硬直。安藤くんはこっちに近づいてくるのに身体が言うことを聞かず動けない。
「僕もそんなに厳しくしたくないんですけど、一応ルールなので学業に関係ないものは没収しなくちゃいけないんです」
さぁ、と腕を伸ばす安藤くんに引っ張られ、背中に隠していたものが見つかってしまう。
安藤くんは唖然、と言った様子。そりゃそうだ。
どうしよう、なんて言えばいいんだ。これは天使からもらった拳銃で、本物ではないけど、本物と同じ威力で。だから銃刀法違反ではなくて。えーっと。
「エアガンですか。どうしてこんなものを」
呆れた声の安藤くん。そりゃそうか。誰も本物なんて思うわけないか。安心するも束の間、安藤くんは拳銃を握る。
「没収しますけど、後で職員室に取りに来てもらえればすぐに返してもらえますので」
「いや、それはちょっと」
私は反射的に拳銃を引っ張る。
「いやいや……」
「いやいやいや……」
拳銃を介した引っ張り合いは回数を重ねるごとに勢いづいていく。
「いい加減にしてください!」
「引っ張らないで!」
奪い取られそうになり、私は手に力を込めると指先がトリガーに引っかかり、そのまま握るとトリガーが押し込まれる感触が指先から脳へと響く。瞬間。
バンッ!
銃弾が発射された反動で私も安藤くんも転げた。床に尻餅をつき、天井を見上げるとそこには銃痕がくっきりとついている。
「ほ、本物……?」安藤くんのわなわなとした声。なんとか誤魔化さないと。
「あ、安藤くん……」
安藤くんは私を見ると一目散に走り出してしまった。
「せ、先生ー!」