『怖くないよ。オジサンたちはみんな優しいし。変なことしたらもう紹介しないって言ってあるから下手なことはしないし』
『じゃあ……』


私はそのおいしい話に飛びついた。渡りに船だった。


指定された場所に行くとヒョウ柄ワンピースの派手な女が声をかけてきた。凜だった。凜はすぐさま隣にいた男を紹介した。スーツを着た中肉中背のいたって普通のサラリーマンだった。凜は制服姿の私と男をタクシーに押し込んだ。車が停まったのはヤシの木のイラストが描かれたピンクの壁の立方体の変な建物だった。車を降りると男は断りもなく、私の肩を抱いた。なんともいえない男の体臭が鼻を突いた。

狭くて急な階段を登り切ると鉄扉があった。中はピンクと赤の陳腐な色合いの壁と、ギラギラとシャンデリアが光る部屋だった。男は丁寧に制服を剥がし、私の幼い体を貫いた。天井のシャンデリアの粒を数えて終わるのを待った。男は客でありながらコドモの私に丁寧に礼を言い、代金のほかに小遣いをくれた。初めて手にする札束に手が震えた。

それからというもの、私は凜から男を紹介してもらい、体を売った。中には暴力的な男もいた。おしっこを飲ませろという気持ち悪い男もいた。回数を重ねるにつれ、金額も落ちていったが毎回もらえる万札を郵便局のATMに預けていた。