「あぁああああああああああ!!!」
「おぉおおおおおおおおおお!!!」
ソフィアとゼノアスが激突した。
己の持つ力を全力で相手にぶつける。
剣と剣が交差して……
「くっ!」
わずかにソフィアが押された。
力で負けている。
その事実を即座に感じ取ったソフィアは、力比べを避けてすぐ後ろに跳ぶ。
逃さないとゼノアスが追撃してくるが、彼が剣を振り下ろすよりも先に、ソフィアはさらに別の場所に移動していた。
そこからさらにステップを踏んで移動を繰り返す。
一秒と同じ場所に留まらない。
ゼノアスを中心に円を描くように駆ける。
途中、ソフィアは踏み込みつつ剣を振る。
大きなダメージは期待しない。
あくまでも牽制の一撃だ。
ただ、それを何十、何百と繰り返せば驚異となる。
剣の嵐だ。
それに襲われたゼノアスは自然と足を止めてしまい、防戦に追い込まれていく。
「……やはり」
力はゼノアスが上。
しかし、速度はソフィアが上だ。
こうして翻弄を続ければ負けることはない。
ただ、勝つこともない。
「厳しいですね……」
攻撃と移動を繰り返しつつ、ソフィアは苦い顔をした。
速度はソフィアの方が上。
ゼノアスも彼女を追いきれない様子で、防御に撤していた。
固い。
なんて固い鉄壁の防御なのだろう。
まるで砦相手にしているかのようだ。
何度攻撃を繰り返しても崩すことはできない。
ゼノアスは防御に徹しているため、大きく動くことはない。
しかしソフィアは足を使っているため、体力の消耗が激しい。
この状態が長く続けば、いずれ体力が尽きてしまうだろう。
剣聖とて体力は無限ではない。
「ならば!」
ソフィアはさらに速度を上げた。
同時に攻撃の頻度も上げた。
攻撃が届かないのなら、さらに加速すればいい。
ゼノアスが反応しきれないほどの超高速の攻撃を叩き込めばいい。
わりと脳筋な考えではあるが、この場は正しい。
攻撃が届かない、防御を崩せないからといって力で勝負をしたら、ソフィアはあっさりと負けていただろう。
得意分野を捨てて相手の舞台で戦うようなことをすれば不利になるだけ。
そのことをきちんと理解していたからこそ、ソフィアは己の武器……速度をさらに上げるという選択を取った。
「やるな」
防御に徹するゼノアスは小さく笑う。
その笑みはとても満足そうなものだ。
ソフィアの攻撃は苛烈で、一瞬でも気を抜けば切り刻まれてしまいだろう。
しかし、そうやって生と死の狭間に立つことで、今までにないほど充実しているのだろう。
己の存在意義を見つけることができているのだろう。
ソフィアが奮戦すればするほど、ゼノアスの戦意は高まっていく。
士気が高揚する。
皮肉な話だ。
「いい加減、倒れてくれても構いませんよ?」
「そのようなつまらないことはしない。もっとこの時間を楽しもう」
「私は楽しくなんてありません!」
ソフィアは吐き捨てるように言い、さらに足に力を込めた。
加速。
加速。
加速。
いい加減に届け!
半ば祈りつつソフィアは剣を繰り出して……
「そこだ」
「っ!?」
しかし、その祈りは砕かれた。
最悪のタイミングでゼノアスの剣が振られ、ソフィアが吹き飛んだ。
「おぉおおおおおおおおおお!!!」
ソフィアとゼノアスが激突した。
己の持つ力を全力で相手にぶつける。
剣と剣が交差して……
「くっ!」
わずかにソフィアが押された。
力で負けている。
その事実を即座に感じ取ったソフィアは、力比べを避けてすぐ後ろに跳ぶ。
逃さないとゼノアスが追撃してくるが、彼が剣を振り下ろすよりも先に、ソフィアはさらに別の場所に移動していた。
そこからさらにステップを踏んで移動を繰り返す。
一秒と同じ場所に留まらない。
ゼノアスを中心に円を描くように駆ける。
途中、ソフィアは踏み込みつつ剣を振る。
大きなダメージは期待しない。
あくまでも牽制の一撃だ。
ただ、それを何十、何百と繰り返せば驚異となる。
剣の嵐だ。
それに襲われたゼノアスは自然と足を止めてしまい、防戦に追い込まれていく。
「……やはり」
力はゼノアスが上。
しかし、速度はソフィアが上だ。
こうして翻弄を続ければ負けることはない。
ただ、勝つこともない。
「厳しいですね……」
攻撃と移動を繰り返しつつ、ソフィアは苦い顔をした。
速度はソフィアの方が上。
ゼノアスも彼女を追いきれない様子で、防御に撤していた。
固い。
なんて固い鉄壁の防御なのだろう。
まるで砦相手にしているかのようだ。
何度攻撃を繰り返しても崩すことはできない。
ゼノアスは防御に徹しているため、大きく動くことはない。
しかしソフィアは足を使っているため、体力の消耗が激しい。
この状態が長く続けば、いずれ体力が尽きてしまうだろう。
剣聖とて体力は無限ではない。
「ならば!」
ソフィアはさらに速度を上げた。
同時に攻撃の頻度も上げた。
攻撃が届かないのなら、さらに加速すればいい。
ゼノアスが反応しきれないほどの超高速の攻撃を叩き込めばいい。
わりと脳筋な考えではあるが、この場は正しい。
攻撃が届かない、防御を崩せないからといって力で勝負をしたら、ソフィアはあっさりと負けていただろう。
得意分野を捨てて相手の舞台で戦うようなことをすれば不利になるだけ。
そのことをきちんと理解していたからこそ、ソフィアは己の武器……速度をさらに上げるという選択を取った。
「やるな」
防御に徹するゼノアスは小さく笑う。
その笑みはとても満足そうなものだ。
ソフィアの攻撃は苛烈で、一瞬でも気を抜けば切り刻まれてしまいだろう。
しかし、そうやって生と死の狭間に立つことで、今までにないほど充実しているのだろう。
己の存在意義を見つけることができているのだろう。
ソフィアが奮戦すればするほど、ゼノアスの戦意は高まっていく。
士気が高揚する。
皮肉な話だ。
「いい加減、倒れてくれても構いませんよ?」
「そのようなつまらないことはしない。もっとこの時間を楽しもう」
「私は楽しくなんてありません!」
ソフィアは吐き捨てるように言い、さらに足に力を込めた。
加速。
加速。
加速。
いい加減に届け!
半ば祈りつつソフィアは剣を繰り出して……
「そこだ」
「っ!?」
しかし、その祈りは砕かれた。
最悪のタイミングでゼノアスの剣が振られ、ソフィアが吹き飛んだ。