ソフィアろレナは、クリフと一緒に冒険者ギルドを尋ねた。
エリンとアイシャとリコリスとスノウはいない。
フェイトの件があるため、宿に残ることに。
レナが用意した簡易結界があるため、黎明の同盟に探知されることはないだろう、とのことだけど……
それでも心配なものは心配で、ソフィアはなかなか落ち着くことができなかった。
ただ、いつまでもそんな体たらくではいけないと、気を引き締め直してアルマリアとの面会に挑む。
「失礼します」
「ようこそ」
客間に入ると、一人の女性が迎えてくれた。
歳は二十代後半だろう。
芸術品のような美を持ち、異性だけではなくて同性も目を奪われてしまうほどだ。
静かな笑みを浮かべているからだろうか?
その身にまとう雰囲気は柔らかく、全てを受け止めるかのように優しい。
アルマリア・ユーグレット。
聖女と呼ばれている、冒険者ギルドの幹部の一人だ。
「ユーグレット様。この方達が……」
「ええ」
アルマリアは一つ頷いて、ソフィア達に視線をやる。
「あなたが、剣聖ソフィア・アスカルト様ですね? はじめまして。アルマリア・ユーグレットと申します」
「ソフィア・アスカルトです。よろしくお願いします」
二人は握手を交わす。
ソフィアは、多少は警戒していた様子だけど……
アルマリアのまったく邪気のない笑顔にやられたらしく、いくらか警戒心を解いていた。
出会ったばかりの人の心を解きほぐす。
彼女が聖女と呼ばれている所以だ。
「そちらは……」
「あたしは、激ミラクル美少女妖精、スーパースターのリコリスちゃんよ!」
「アイシャ……です。この子はスノウ」
「オンッ!」
リコリスはいつもの様子で。
アイシャは人見知りを発揮しつつ、ソフィアの影に隠れつつ。
そして、スノウは元気よく吠えた。
「リコリスさん、アイシャさん、スノウさん、よろしくお願いします」
「……うん」
アルマリアの優しい笑顔に、アイシャもいくらか警戒心を解いた。
小さく笑い返す。
「そして……」
アルマリアの視線がレナに向けられた。
この時ばかりは、さすがに緊張感が漂う。
「ボクは、レナ。レナ・サマーフィールド。黎明の同盟の元幹部だよ」
「話を聞いてまさか、とは思いましたが……嘘ではないみたいですね。それに、特務騎士団の方も一緒とは……」
「エリンと申します」
「……レナさんが味方についてくれた、というのは信じざるをえませんね」
アルマリアの表情から険が消えた。
さきほどまでピリピリと空気が震えていたのだけど、それもなくなる。
「どうぞ」
アルマリアに勧められるまま、ソフィア達はソファーに座る。
ソフィアは紅茶を一口。
リコリスとアイシャとスノウは、クッキーをぱくぱくと食べる。
こういったものが用意されているところを見ると、色々と気遣いができるのだろう。
「報告はクリフから受けていましたが、なにやら、今はさらに状況が変わっている様子。改めて、事態の説明をお願いしてもいいですか?」
「ええ」
ソフィアは頷いて、現状を説明した。
黎明の同盟の本拠地を突き止めたこと。
目的はわからないものの、なにかしら企んでいること。
色々な情報を得て……
しかし、仲間であるフェイトが行方不明になったこと。
全てを聞いたアルマリアは難しい顔に。
「なるほど、そのようなことに……」
「レナは協力を約束してくれました。特務騎士団も同じです。なので……冒険者ギルドも協力してくれませんか?」
「……メリットは?」
「メリット、デメリットの話をする段階はとっくに過ぎています。ここで黎明の同盟を止めないと、とんでもないことになる……それこそ、王都が壊滅するかもしれません」
「そのようなことは……」
「言い過ぎ、なんて私は思いませんよ? 連中は、それだけの力を持っていますからね。事実、いくつかの街は壊滅の危機に遭いました」
「……」
「協力してください」
「……私は」
しばらく考えた後、アルマリアはゆっくりと口を開いた。
エリンとアイシャとリコリスとスノウはいない。
フェイトの件があるため、宿に残ることに。
レナが用意した簡易結界があるため、黎明の同盟に探知されることはないだろう、とのことだけど……
それでも心配なものは心配で、ソフィアはなかなか落ち着くことができなかった。
ただ、いつまでもそんな体たらくではいけないと、気を引き締め直してアルマリアとの面会に挑む。
「失礼します」
「ようこそ」
客間に入ると、一人の女性が迎えてくれた。
歳は二十代後半だろう。
芸術品のような美を持ち、異性だけではなくて同性も目を奪われてしまうほどだ。
静かな笑みを浮かべているからだろうか?
その身にまとう雰囲気は柔らかく、全てを受け止めるかのように優しい。
アルマリア・ユーグレット。
聖女と呼ばれている、冒険者ギルドの幹部の一人だ。
「ユーグレット様。この方達が……」
「ええ」
アルマリアは一つ頷いて、ソフィア達に視線をやる。
「あなたが、剣聖ソフィア・アスカルト様ですね? はじめまして。アルマリア・ユーグレットと申します」
「ソフィア・アスカルトです。よろしくお願いします」
二人は握手を交わす。
ソフィアは、多少は警戒していた様子だけど……
アルマリアのまったく邪気のない笑顔にやられたらしく、いくらか警戒心を解いていた。
出会ったばかりの人の心を解きほぐす。
彼女が聖女と呼ばれている所以だ。
「そちらは……」
「あたしは、激ミラクル美少女妖精、スーパースターのリコリスちゃんよ!」
「アイシャ……です。この子はスノウ」
「オンッ!」
リコリスはいつもの様子で。
アイシャは人見知りを発揮しつつ、ソフィアの影に隠れつつ。
そして、スノウは元気よく吠えた。
「リコリスさん、アイシャさん、スノウさん、よろしくお願いします」
「……うん」
アルマリアの優しい笑顔に、アイシャもいくらか警戒心を解いた。
小さく笑い返す。
「そして……」
アルマリアの視線がレナに向けられた。
この時ばかりは、さすがに緊張感が漂う。
「ボクは、レナ。レナ・サマーフィールド。黎明の同盟の元幹部だよ」
「話を聞いてまさか、とは思いましたが……嘘ではないみたいですね。それに、特務騎士団の方も一緒とは……」
「エリンと申します」
「……レナさんが味方についてくれた、というのは信じざるをえませんね」
アルマリアの表情から険が消えた。
さきほどまでピリピリと空気が震えていたのだけど、それもなくなる。
「どうぞ」
アルマリアに勧められるまま、ソフィア達はソファーに座る。
ソフィアは紅茶を一口。
リコリスとアイシャとスノウは、クッキーをぱくぱくと食べる。
こういったものが用意されているところを見ると、色々と気遣いができるのだろう。
「報告はクリフから受けていましたが、なにやら、今はさらに状況が変わっている様子。改めて、事態の説明をお願いしてもいいですか?」
「ええ」
ソフィアは頷いて、現状を説明した。
黎明の同盟の本拠地を突き止めたこと。
目的はわからないものの、なにかしら企んでいること。
色々な情報を得て……
しかし、仲間であるフェイトが行方不明になったこと。
全てを聞いたアルマリアは難しい顔に。
「なるほど、そのようなことに……」
「レナは協力を約束してくれました。特務騎士団も同じです。なので……冒険者ギルドも協力してくれませんか?」
「……メリットは?」
「メリット、デメリットの話をする段階はとっくに過ぎています。ここで黎明の同盟を止めないと、とんでもないことになる……それこそ、王都が壊滅するかもしれません」
「そのようなことは……」
「言い過ぎ、なんて私は思いませんよ? 連中は、それだけの力を持っていますからね。事実、いくつかの街は壊滅の危機に遭いました」
「……」
「協力してください」
「……私は」
しばらく考えた後、アルマリアはゆっくりと口を開いた。