その後……
僕達は歓待を受けることに。
たくさんの料理とおいしい飲み物。
それと、街の人達も一緒になって、みんなで宴を楽しんだ。
街の人達が一緒なのは、実は、アイシャが考えたことだ。
みんなで一緒に楽しみたい……と。
かなり意外なアイディアだけど、実のところ、ものすごく効果的な案だった。
前領主がやらかしたことで、街は今、ヒルディス家への不審、不満が高まっている。
アルベルトが前領主を倒すことで問題は解決したものの、息子なら同じことをするのでは? という疑念はそう簡単に拭えない。
そこで宴だ。
一緒に楽しむことで、街の人は、ある程度、アルベルトに対する疑念が消えただろう。
ストレスや不安を和らげることもできて、一石三鳥くらいの良い案だった。
こんなものを考えるなんて、さすがアイシャ。
僕達の娘は最高だ。
それはともかく……
「ふぅ」
夜になっても宴は続いていた。
さすがに疲れてしまい、舞台となっているアルベルトの屋敷を出て、外で夜風を浴びる。
「風が気持ちいいなあ」
「そうね、良い夜だわー」
「……いつの間に?」
気がつけばリコリスが肩に乗っていた。
「キューティクルミラクル美少女妖精リコリスちゃんと過ごすことができて、フェイトも嬉しいでしょ?」
「……そうかもね」
苦笑しつつ夜空を眺めた。
アルベルトが高速馬車を準備してくれている。
数日後、出発をして……
そして、わりと早く王都に到着することができるだろう。
そこで僕達を待っているものは……
「フェイト、フェイト」
肩のリコリスがつんつんと僕の頬を突いた。
「あれ、見なさいよ」
「あれ?」
リコリスの視線を追いかけると……
ソフィアとアルベルトがいた。
なにやら真面目な顔をして話をしている。
たぶん、だけど……
アルベルトは、改めてソフィアに告白をしているんだと思う。
色々なことが落ち着いたから、ここでもう一度……ということだろう。
「大変よ、フェイト! このままだとソフィアがあへられちゃうわ」
「どういうこと?」
「寝取られる、っていう意味よ」
「……よくわからないけど、とても教育に悪そうだから、そういう言葉はアイシャの前で絶対に使わないでね」
ほんと、リコリスはどこでそんな言葉を覚えたのやら。
旅が好きだったっていう、友達の影響かな?
だとしたら、妖精全体がリコリスのような愉快な性格をしていることに。
……なんだか突き詰めて考えると怖いことになりそうなので、やめておいた。
「んー……ここじゃなにを話しているか聞こえないわね。フェイト、もう少し近づくわよ」
「やめておこう」
「え、なんで? 気にならないの?」
「少しは気になるけど……でも、以前ほどじゃないかな」
アルベルトに対する深い嫉妬は覚えない。
多少は気になるだけで、まあいいか、と思うレベルだ。
「いいの? ソフィアがなんて答えるか、気にならないわけ?」
「そこは気にならないかな」
「なんでよ」
「だって……」
僕はソフィアのことが好きだ。
そして、彼女も僕を好いてくれていると感じている。
それに疑問を持つことは、彼女の気持ちを裏切るような行為だ。
「僕は、ソフィアを信じているし、ソフィアも僕を信じてくれていると思うんだ。だから、なにも問題はないよ」
「ふーん……なんか強くなった?」
「今回のことで鍛えられたのかも」
ある意味で、アルベルトに感謝する僕だった。
僕達は歓待を受けることに。
たくさんの料理とおいしい飲み物。
それと、街の人達も一緒になって、みんなで宴を楽しんだ。
街の人達が一緒なのは、実は、アイシャが考えたことだ。
みんなで一緒に楽しみたい……と。
かなり意外なアイディアだけど、実のところ、ものすごく効果的な案だった。
前領主がやらかしたことで、街は今、ヒルディス家への不審、不満が高まっている。
アルベルトが前領主を倒すことで問題は解決したものの、息子なら同じことをするのでは? という疑念はそう簡単に拭えない。
そこで宴だ。
一緒に楽しむことで、街の人は、ある程度、アルベルトに対する疑念が消えただろう。
ストレスや不安を和らげることもできて、一石三鳥くらいの良い案だった。
こんなものを考えるなんて、さすがアイシャ。
僕達の娘は最高だ。
それはともかく……
「ふぅ」
夜になっても宴は続いていた。
さすがに疲れてしまい、舞台となっているアルベルトの屋敷を出て、外で夜風を浴びる。
「風が気持ちいいなあ」
「そうね、良い夜だわー」
「……いつの間に?」
気がつけばリコリスが肩に乗っていた。
「キューティクルミラクル美少女妖精リコリスちゃんと過ごすことができて、フェイトも嬉しいでしょ?」
「……そうかもね」
苦笑しつつ夜空を眺めた。
アルベルトが高速馬車を準備してくれている。
数日後、出発をして……
そして、わりと早く王都に到着することができるだろう。
そこで僕達を待っているものは……
「フェイト、フェイト」
肩のリコリスがつんつんと僕の頬を突いた。
「あれ、見なさいよ」
「あれ?」
リコリスの視線を追いかけると……
ソフィアとアルベルトがいた。
なにやら真面目な顔をして話をしている。
たぶん、だけど……
アルベルトは、改めてソフィアに告白をしているんだと思う。
色々なことが落ち着いたから、ここでもう一度……ということだろう。
「大変よ、フェイト! このままだとソフィアがあへられちゃうわ」
「どういうこと?」
「寝取られる、っていう意味よ」
「……よくわからないけど、とても教育に悪そうだから、そういう言葉はアイシャの前で絶対に使わないでね」
ほんと、リコリスはどこでそんな言葉を覚えたのやら。
旅が好きだったっていう、友達の影響かな?
だとしたら、妖精全体がリコリスのような愉快な性格をしていることに。
……なんだか突き詰めて考えると怖いことになりそうなので、やめておいた。
「んー……ここじゃなにを話しているか聞こえないわね。フェイト、もう少し近づくわよ」
「やめておこう」
「え、なんで? 気にならないの?」
「少しは気になるけど……でも、以前ほどじゃないかな」
アルベルトに対する深い嫉妬は覚えない。
多少は気になるだけで、まあいいか、と思うレベルだ。
「いいの? ソフィアがなんて答えるか、気にならないわけ?」
「そこは気にならないかな」
「なんでよ」
「だって……」
僕はソフィアのことが好きだ。
そして、彼女も僕を好いてくれていると感じている。
それに疑問を持つことは、彼女の気持ちを裏切るような行為だ。
「僕は、ソフィアを信じているし、ソフィアも僕を信じてくれていると思うんだ。だから、なにも問題はないよ」
「ふーん……なんか強くなった?」
「今回のことで鍛えられたのかも」
ある意味で、アルベルトに感謝する僕だった。