「フェイト!!!」
「うわっ」
ソフィアと合流すると、いきなり抱きしめられた。
ぎゅうっと、思い切り抱きしめられる。
「よかった、無事だったんですね! 怪我はしていませんか? 痛いところはありませんか? 血は出ていませんか?」
それ、全部同じ意味だから。
少し離れていただけなんだけど……
だいぶ心配させてしまったらしい。
うーん、過保護だなあ。
でも、それだけ愛されている証拠である。
そう思うと悪い気はしない……というか、嬉しい。
「ソフィア、僕は大丈夫だから」
抱きしめられていると、ソフィアの胸が、その……大変なことになってしまうので、慌てて離れた。
なぜか、ソフィアは残念そうにしていた。
「おとーさん!」
「オン!」
入れ替わりにアイシャが抱きついてきた。
スノウも駆け寄ってきて、僕の体に顔を擦り付ける。
「二人にも心配かけちゃったね、ごめんね」
「うー」
「でも、大丈夫だから。こうしてピンピンしているよ」
「うん」
アイシャの尻尾が落ち着きなく揺れている。
たぶん、怖い目に遭ったんだろうな。
だから余計に僕のことを心配してしまって……
でも、よかった。
こうして、何事もなく再会することができて。
「ふふ、仲が良いのだね」
アルベルトが微笑ましそうな顔をして、そう言う。
ここは彼の屋敷だ。
今後の話をしたいと言われ、招かれた。
「改めて、礼を言わせてほしい。力を貸してくれてありがとう……そして、私の不備を詫びさせてほしい。見通しが甘かったことであなた達の家族を危険にさらしてしまった。すまない」
アルベルトは深く頭を下げた。
驚きだ。
彼は貴族で、レノグレイドの次期領主だ。
そんな人が頭を下げるなんて……
思っていた以上にできた人なのかもしれない。
「さて。まずは報酬の話をしたいと思う。多少、予定はとは異なる流れになったものの、あなた達のおかげでレノグレイドを圧政から解放することができた。その礼をしたい。なにか望むものはあるだろうか? 私にできる範囲なら、どんなことでもさせてほしい」
「えっと……」
そういえば報酬のこと、なにも考えていなかった。
どうしよう?
良いアイディアはある? とソフィアを見る。
「そうですね……どんなことでも、といいますが、複数でもいいのですか?」
「もちろんだ」
「では、まずはお金をください。ちょっと旅費が怪しくなっていたので」
そういえばそうだった。
足止めをされたり寄り道をしたりで、旅費がけっこう膨らんでいたんだよね。
「好きな額を言ってほしい。あと、馬車と食料なども用意しておこう」
「ありがとうございます」
わりと奮発してもらったのだけど……
「それと、もう一つ」
ソフィアは、それでは足りないと追加を口にする。
「今度は、そちらが力を貸してくれませんか?」
「それは、どういう……?」
「詳細を話すことはできません。これからどうなるか、私達にも予想できないので……ただ、王都で大きな事件が起きると考えています。それこそ国を揺るがすような事件が」
「……穏やかな話ではないね」
「規模はなんとも言えませんが、事件が起きることは確定です」
「うん。僕も、ソフィアと同意見です」
「ふむ」
アルベルトは思案顔に。
曖昧な話しかできないのだけど……
それでも彼は、しっかりと話を受け止めて考えてくれている。
とてもありがたいことだ。
「……わかった。実際にそのような事件が起きてみないとなんとも言えないけれど、その時は、できる限りの支援をすると約束しよう」
こうして、僕達は頼りになる味方を作ることができたのだった。
「うわっ」
ソフィアと合流すると、いきなり抱きしめられた。
ぎゅうっと、思い切り抱きしめられる。
「よかった、無事だったんですね! 怪我はしていませんか? 痛いところはありませんか? 血は出ていませんか?」
それ、全部同じ意味だから。
少し離れていただけなんだけど……
だいぶ心配させてしまったらしい。
うーん、過保護だなあ。
でも、それだけ愛されている証拠である。
そう思うと悪い気はしない……というか、嬉しい。
「ソフィア、僕は大丈夫だから」
抱きしめられていると、ソフィアの胸が、その……大変なことになってしまうので、慌てて離れた。
なぜか、ソフィアは残念そうにしていた。
「おとーさん!」
「オン!」
入れ替わりにアイシャが抱きついてきた。
スノウも駆け寄ってきて、僕の体に顔を擦り付ける。
「二人にも心配かけちゃったね、ごめんね」
「うー」
「でも、大丈夫だから。こうしてピンピンしているよ」
「うん」
アイシャの尻尾が落ち着きなく揺れている。
たぶん、怖い目に遭ったんだろうな。
だから余計に僕のことを心配してしまって……
でも、よかった。
こうして、何事もなく再会することができて。
「ふふ、仲が良いのだね」
アルベルトが微笑ましそうな顔をして、そう言う。
ここは彼の屋敷だ。
今後の話をしたいと言われ、招かれた。
「改めて、礼を言わせてほしい。力を貸してくれてありがとう……そして、私の不備を詫びさせてほしい。見通しが甘かったことであなた達の家族を危険にさらしてしまった。すまない」
アルベルトは深く頭を下げた。
驚きだ。
彼は貴族で、レノグレイドの次期領主だ。
そんな人が頭を下げるなんて……
思っていた以上にできた人なのかもしれない。
「さて。まずは報酬の話をしたいと思う。多少、予定はとは異なる流れになったものの、あなた達のおかげでレノグレイドを圧政から解放することができた。その礼をしたい。なにか望むものはあるだろうか? 私にできる範囲なら、どんなことでもさせてほしい」
「えっと……」
そういえば報酬のこと、なにも考えていなかった。
どうしよう?
良いアイディアはある? とソフィアを見る。
「そうですね……どんなことでも、といいますが、複数でもいいのですか?」
「もちろんだ」
「では、まずはお金をください。ちょっと旅費が怪しくなっていたので」
そういえばそうだった。
足止めをされたり寄り道をしたりで、旅費がけっこう膨らんでいたんだよね。
「好きな額を言ってほしい。あと、馬車と食料なども用意しておこう」
「ありがとうございます」
わりと奮発してもらったのだけど……
「それと、もう一つ」
ソフィアは、それでは足りないと追加を口にする。
「今度は、そちらが力を貸してくれませんか?」
「それは、どういう……?」
「詳細を話すことはできません。これからどうなるか、私達にも予想できないので……ただ、王都で大きな事件が起きると考えています。それこそ国を揺るがすような事件が」
「……穏やかな話ではないね」
「規模はなんとも言えませんが、事件が起きることは確定です」
「うん。僕も、ソフィアと同意見です」
「ふむ」
アルベルトは思案顔に。
曖昧な話しかできないのだけど……
それでも彼は、しっかりと話を受け止めて考えてくれている。
とてもありがたいことだ。
「……わかった。実際にそのような事件が起きてみないとなんとも言えないけれど、その時は、できる限りの支援をすると約束しよう」
こうして、僕達は頼りになる味方を作ることができたのだった。