父さん達に事情を説明して……
準備を整えて……
それから、僕とソフィアは家を出た。
「うん、準備はバッチリだね」
動きを邪魔しない程度に防寒着を着込み、その下に軽鎧を。
軽鎧ではあるものの、鍛冶の神様と呼ばれている父さんが作ったものだ。
とても頑丈で、魔法に対する耐性もある。
そして、腰にはソフィアに貸してもらった剣。
銘はないものの、とある匠によって打たれた剣らしい。
切れ味だけじゃなくて、耐久力も抜群。
僕にピッタリの剣だ。
その後、街の入り口でホルンさんと合流した。
「待っておったぞ」
ホルンさんは重装備だった。
防寒着が膨れ上がるほどの防具を着込み……
さらに、背中に大きな荷物袋を抱えている。
「すごい装備ですね……」
「大丈夫なのですか?」
「うむ、問題ないぞ。若干、機動性は落ちるが、全て必要なものじゃ。ポーションや爆弾など、色々と詰め込んでいてな。戦いの最中にどんどん消費していくだろうから、すぐに身軽になるじゃろう」
「なるほど」
逆に言うと、それだけの準備をしないといけない相手……か。
伝説と言われている煉獄竜。
その強さは、いったいどれほどのものなのか?
倒すことができるのか?
ちょっと不安になってしまうのだけど……
「フェイト」
「……あ……」
そっと、ソフィアに手を握られた。
手袋越しだけど、彼女の温もりが伝わってくる。
「大丈夫ですよ」
「……うん、そうだね」
弱気は消えた。
勇気も湧いてきた。
うん。
やっぱり、ソフィアと一緒ならなんでもできるような気がした。
「やれやれ、老人の前で見せつけてくれるわい」
ホルンさんがからかうように言って、僕とソフィアは顔を熱くするのだった。
決戦の前にこんな調子でいいのかな? なんて思わなくもないけど……
でも、いい感じに緊張がほぐれたと思う。
さあ、行こう。
いざ決戦の地へ。
――――――――――
今日はあいにくの天気で吹雪いていた。
視界が塞がるほどひどくはないけれど、移動に時間がかかり、体力が奪われてしまう。
それでも焦らないでしっかりと足を進めて……
悪天候の中ではわりと早く、目的地に到着することができた。
「ここに煉獄竜が……」
雪に埋まってしまうほど小さな洞窟だ。
しかし、それは入り口だけ。
奥に進めば進むほど広くなっていく。
いくら歩いても終着点が見えてこない。
「すごい洞窟ですね」
「最初はとても狭かったのに、今はこんなにも広く……大きな城が入ってしまうほどです」
「天然の牢獄といったところじゃな。ノノカの力も借りて、ここにやつを封印したのじゃ」
そう語るホルンさんは、どこか寂しそうな声をしていた。
当時を思い出しているのだろう。
「……そろそろつくぞ」
ホルンさんの言葉通り、さらに十分ほど歩いたところで最深部に到着した。
そして、僕達は思わず言葉を失うことになる。
「これが……」
「煉獄竜……」
巨大な氷塊の中で、同じく巨大な竜が眠っていた。
準備を整えて……
それから、僕とソフィアは家を出た。
「うん、準備はバッチリだね」
動きを邪魔しない程度に防寒着を着込み、その下に軽鎧を。
軽鎧ではあるものの、鍛冶の神様と呼ばれている父さんが作ったものだ。
とても頑丈で、魔法に対する耐性もある。
そして、腰にはソフィアに貸してもらった剣。
銘はないものの、とある匠によって打たれた剣らしい。
切れ味だけじゃなくて、耐久力も抜群。
僕にピッタリの剣だ。
その後、街の入り口でホルンさんと合流した。
「待っておったぞ」
ホルンさんは重装備だった。
防寒着が膨れ上がるほどの防具を着込み……
さらに、背中に大きな荷物袋を抱えている。
「すごい装備ですね……」
「大丈夫なのですか?」
「うむ、問題ないぞ。若干、機動性は落ちるが、全て必要なものじゃ。ポーションや爆弾など、色々と詰め込んでいてな。戦いの最中にどんどん消費していくだろうから、すぐに身軽になるじゃろう」
「なるほど」
逆に言うと、それだけの準備をしないといけない相手……か。
伝説と言われている煉獄竜。
その強さは、いったいどれほどのものなのか?
倒すことができるのか?
ちょっと不安になってしまうのだけど……
「フェイト」
「……あ……」
そっと、ソフィアに手を握られた。
手袋越しだけど、彼女の温もりが伝わってくる。
「大丈夫ですよ」
「……うん、そうだね」
弱気は消えた。
勇気も湧いてきた。
うん。
やっぱり、ソフィアと一緒ならなんでもできるような気がした。
「やれやれ、老人の前で見せつけてくれるわい」
ホルンさんがからかうように言って、僕とソフィアは顔を熱くするのだった。
決戦の前にこんな調子でいいのかな? なんて思わなくもないけど……
でも、いい感じに緊張がほぐれたと思う。
さあ、行こう。
いざ決戦の地へ。
――――――――――
今日はあいにくの天気で吹雪いていた。
視界が塞がるほどひどくはないけれど、移動に時間がかかり、体力が奪われてしまう。
それでも焦らないでしっかりと足を進めて……
悪天候の中ではわりと早く、目的地に到着することができた。
「ここに煉獄竜が……」
雪に埋まってしまうほど小さな洞窟だ。
しかし、それは入り口だけ。
奥に進めば進むほど広くなっていく。
いくら歩いても終着点が見えてこない。
「すごい洞窟ですね」
「最初はとても狭かったのに、今はこんなにも広く……大きな城が入ってしまうほどです」
「天然の牢獄といったところじゃな。ノノカの力も借りて、ここにやつを封印したのじゃ」
そう語るホルンさんは、どこか寂しそうな声をしていた。
当時を思い出しているのだろう。
「……そろそろつくぞ」
ホルンさんの言葉通り、さらに十分ほど歩いたところで最深部に到着した。
そして、僕達は思わず言葉を失うことになる。
「これが……」
「煉獄竜……」
巨大な氷塊の中で、同じく巨大な竜が眠っていた。