いつものようにソフィアと一緒に遊ぶ。
雪遊びをして、ごはんを食べて、それからまた雪遊び。
彼女と出会ってから、ほぼ毎日雪遊びをしているけど、ぜんぜん飽きない。
毎日、ソフィアの違う顔を見ることができて……
むしろ、どんどん楽しくなっていた。
そんなある日のこと。
「フェイトは、将来の夢はありますか?」
ふと、そんなことを聞かれた。
「うん、あるよ」
「わ、即答です」
ソフィアの目がキラキラと輝いた。
どんな夢ですか? 教えてくれませんか?
そう言っているみたいだ。
「僕は、冒険者になりたいんだ」
「冒険者……ですか?」
色々な依頼を請けて、たくさんの人の力になって。
強敵を倒して、英雄と呼ばれるようになり。
未知の場所を探索して、財宝を手に入れる。
そんな冒険者になりたい。
「どうして、そう思うように?」
「きっかけは大したことじゃないんだ。この前、お父さんとお母さんに読んでもらった絵本に冒険者の話があって……それ、すごいワクワクしたんだ!」
あの興奮と熱は、今でもハッキリと覚えている。
話を聞いただけなのに、なんだか、体が熱くなってきて……
うずうずしてきて、僕も冒険者になりたい! という思いでいっぱいになった。
「冒険者になるため、ちょっとずつだけど体も鍛えているんだ」
「……そうなんですか」
なぜかソフィアが暗い顔に。
どうしたんだろう?
僕としては、すごいとか応援しますとか、そういう反応を期待していたんだけど……
「ソフィア?」
「……じゃあフェイトは、いつか街を出ていってしまうんですか?」
「夢が叶ったら……うん、そうなると思う」
「そう、ですか……」
ますます暗い顔に。
「ねえ、ソフィア。どうしたの? なんで、寂しそうにしているの?」
「だって……私、フェイトとずっと一緒にいられるものだと思っていて……でも、フェイトはいつか街を出ていってしまうから……寂しいです」
「あ……」
ソフィアの言葉に、僕は頭を殴られたような衝撃を受けた。
そっか……
冒険者になると、ソフィアとは一緒にいられないんだ。
そんな当たり前のこと、ぜんぜん考えていなかった。
「それ、は……」
冒険者になりたい。
でも、ソフィアと別れたくない。
相反する想いがぶつかって、心がぐちゃぐちゃになってしまう。
僕は……
「あ、そうだ!」
「フェイト?」
「ソフィアも一緒に冒険者になろうよ!」
「え?」
「一緒に冒険者になって……それで、一緒に世界中を旅しよう?」
我ながらナイスアイディアだと思う。
「で、ですが私は……」
「イヤ?」
「そんなことは! ですが……私は、運動があまり得意ではありません……」
一緒に遊ぶようになって、しばらくしてから知ったのだけど……
ソフィアはお嬢さまみたいで、あまり運動をしたことがないとか。
だから、かけっこはいつも僕が勝つし、重いものを持つことはできない。
「でも、ソフィアは運動神経とか、そういうのはすごく良いと思うよ?」
「そんなことは……」
「ううん、本当にそう思うよ。だって、時々、すごいって思うことがあるし」
後ろから飛んできたボールを振り返らずに避けたり。
絶妙なバランス感覚を持っていたり。
本当に運動が苦手なの?
と思うようなことが、度々ある。
「だから、きっとすごい冒険者になると思うんだ」
「私が……」
「それで、僕と一緒に色々なところを旅しよう? 二人で。きっと、すごく楽しくなると思うんだ。今みたいに……ううん、今まで以上に!」
「……フェイト……」
僕は、できる限りの想いを伝えた。
あとは、ソフィア次第だと思う。
「……私でも、冒険者になれると思いますか?」
「もちろん!」
「……フェイトは、ずっとずっと一緒にいてくれますか?」
「もちろん!」
「約束……してくれますか?」
ソフィアは、おずおずと小指を差し出してきた。
僕は迷うことなく、自分の小指を絡める。
「うん、約束」
「……はい!」
「一緒に冒険者になろうね!」
「あと……ずっと一緒です」
この日、僕達は約束を交わした。
それは、ずっとずっと破られることなく、生涯に渡って守られていく約束だ。
雪遊びをして、ごはんを食べて、それからまた雪遊び。
彼女と出会ってから、ほぼ毎日雪遊びをしているけど、ぜんぜん飽きない。
毎日、ソフィアの違う顔を見ることができて……
むしろ、どんどん楽しくなっていた。
そんなある日のこと。
「フェイトは、将来の夢はありますか?」
ふと、そんなことを聞かれた。
「うん、あるよ」
「わ、即答です」
ソフィアの目がキラキラと輝いた。
どんな夢ですか? 教えてくれませんか?
そう言っているみたいだ。
「僕は、冒険者になりたいんだ」
「冒険者……ですか?」
色々な依頼を請けて、たくさんの人の力になって。
強敵を倒して、英雄と呼ばれるようになり。
未知の場所を探索して、財宝を手に入れる。
そんな冒険者になりたい。
「どうして、そう思うように?」
「きっかけは大したことじゃないんだ。この前、お父さんとお母さんに読んでもらった絵本に冒険者の話があって……それ、すごいワクワクしたんだ!」
あの興奮と熱は、今でもハッキリと覚えている。
話を聞いただけなのに、なんだか、体が熱くなってきて……
うずうずしてきて、僕も冒険者になりたい! という思いでいっぱいになった。
「冒険者になるため、ちょっとずつだけど体も鍛えているんだ」
「……そうなんですか」
なぜかソフィアが暗い顔に。
どうしたんだろう?
僕としては、すごいとか応援しますとか、そういう反応を期待していたんだけど……
「ソフィア?」
「……じゃあフェイトは、いつか街を出ていってしまうんですか?」
「夢が叶ったら……うん、そうなると思う」
「そう、ですか……」
ますます暗い顔に。
「ねえ、ソフィア。どうしたの? なんで、寂しそうにしているの?」
「だって……私、フェイトとずっと一緒にいられるものだと思っていて……でも、フェイトはいつか街を出ていってしまうから……寂しいです」
「あ……」
ソフィアの言葉に、僕は頭を殴られたような衝撃を受けた。
そっか……
冒険者になると、ソフィアとは一緒にいられないんだ。
そんな当たり前のこと、ぜんぜん考えていなかった。
「それ、は……」
冒険者になりたい。
でも、ソフィアと別れたくない。
相反する想いがぶつかって、心がぐちゃぐちゃになってしまう。
僕は……
「あ、そうだ!」
「フェイト?」
「ソフィアも一緒に冒険者になろうよ!」
「え?」
「一緒に冒険者になって……それで、一緒に世界中を旅しよう?」
我ながらナイスアイディアだと思う。
「で、ですが私は……」
「イヤ?」
「そんなことは! ですが……私は、運動があまり得意ではありません……」
一緒に遊ぶようになって、しばらくしてから知ったのだけど……
ソフィアはお嬢さまみたいで、あまり運動をしたことがないとか。
だから、かけっこはいつも僕が勝つし、重いものを持つことはできない。
「でも、ソフィアは運動神経とか、そういうのはすごく良いと思うよ?」
「そんなことは……」
「ううん、本当にそう思うよ。だって、時々、すごいって思うことがあるし」
後ろから飛んできたボールを振り返らずに避けたり。
絶妙なバランス感覚を持っていたり。
本当に運動が苦手なの?
と思うようなことが、度々ある。
「だから、きっとすごい冒険者になると思うんだ」
「私が……」
「それで、僕と一緒に色々なところを旅しよう? 二人で。きっと、すごく楽しくなると思うんだ。今みたいに……ううん、今まで以上に!」
「……フェイト……」
僕は、できる限りの想いを伝えた。
あとは、ソフィア次第だと思う。
「……私でも、冒険者になれると思いますか?」
「もちろん!」
「……フェイトは、ずっとずっと一緒にいてくれますか?」
「もちろん!」
「約束……してくれますか?」
ソフィアは、おずおずと小指を差し出してきた。
僕は迷うことなく、自分の小指を絡める。
「うん、約束」
「……はい!」
「一緒に冒険者になろうね!」
「あと……ずっと一緒です」
この日、僕達は約束を交わした。
それは、ずっとずっと破られることなく、生涯に渡って守られていく約束だ。