「夕鶴もドキドキしてくれていて」


 隼理くん?


「……ドキドキしてる……。
 俺も夕鶴と同じ……いや、それ以上」


 隼理くん……。


「ドキドキし過ぎて……どうにかなりそう」


 少し乱れてきた呼吸。
 それでも。
 隼理くんの甘くて艶のある声や仕草は変わらない。
 それどころか、さらに増している。

 全身を麻痺させるような囁きとキス。
 それがあまりにも快感過ぎて。
 気を失いそうになる。


「夕鶴……」


 それだから。
 名前を呼ばれただけで。
 全身が快感に包まれる。


「……罪だ」


 ……?

 罪……?


「本当に罪だ、夕鶴は」


 隼理くん……?


「こんなにも可愛いなんて。
 俺をどこまで夢中にさせるわけ」


 ……隼理くん……。

 それは、こっちのセリフだよ。

 隼理くんの声、言葉、仕草。
 隼理くんの全てが私を夢中にさせる。

 夢中になり過ぎて周りが見えなくなってしまうくらいに……。


 ……って。

 ……っ⁉


 しゅっ……隼理くん……っ⁉


「……夕鶴……そんなにも可愛い声を出して……。
 マジで止められなくなる……」


 また出てしまった。
 自分とは思えないくらいの甘ったるい声。


 あまりにも驚き過ぎて。
 ……そして……感じてしまって……。

 なぜなら……。
 隼理くんが……。
 私の胸に……。
 強く……唇を……吸いつけて……。

 強く、そしてやさしく。
 何度も何度も。
 私の胸に唇を当てて隙間がないように吸い付けた。

 隼理くんの唇が。
 何度も私の胸に触れている。

 そんな状況に。
 ある意味、耐えることが難しくなってきた。

 ……なぜなら……。
 あまりにも過敏になり過ぎて……。
 ものすごく……感じて……しまっている……から……。