一つ、また一つ……。

 隼理くんは。
 私のパジャマのボタンを外していく……。


 全てボタンを外した、隼理くん。
 その後、私の胸のあたりに顔をうずめた。


「夕鶴の可愛い表情、可愛い声、可愛い仕草、
 そんな夕鶴の全ては俺しか知らないし俺のものだけにしたい。
 ……可愛い、本当に可愛いよ、夕鶴」


 私の胸の中で。
 もっと熱く。
 もっと甘く。
 そして、より艶っぽく。
 そう呟いた、隼理くん。


 その声でそんな言葉を呟かれたら。
 胸の鼓動は高鳴る一方。

 ドキドキし過ぎて。
 心も身体もどうにかなりそう。

 それと同時に。
 恥ずかしさもこみ上げてくる。

 こんなにもドキドキしていることが。
 隼理くんの耳に伝わってしまったら。
 あまりにも恥ずかし過ぎる。


「……ドキドキ……」


 え……。


「……夕鶴の心臓の音」


 ……‼

 まっ……まさかっ‼
 気付かれてしまっているっ⁉


「すごくドキドキしてる」


 ……‼

 やっ……やっぱり‼
 気付かれているっ‼
 隼理くんにっ。
 心臓の音っ‼

 あぁ~っっ。
 とんでもなく恥ずかしい~っっ。
 隼理くんにっ。
 心臓の音を聞かれるなんて~っっ。


「しゅっ……隼理くん……っ」


 もっ……もうっ。
 もう、精一杯っ。

 今の私は。
 隼理くんの名前を呼ぶだけでっ。


「……嬉しい」


 えっ?