「……夕鶴は……?」


 え……。


「……どう思ってる……?
 俺のことを……」


 …………。


 私の……。

 私の気持ち……。


 私の気持ちはどうなのだろう。


 私は飛鷹先生のことを。
 そういう気持ちで見たことは……。

 わからない。

 飛鷹先生に限らず。
 今の私は軽音楽部に夢中で。
 色恋のことは後回しになっていた。


 だからなのか。
 特に好きな人はいないと思っていた。

 それだからだと思う。
 自分の気持ちに全く気付いていなかった。


 …………。


 ……ううん。
 違う。

 たぶん。
 本当は。
 気付いていた。
 自分の気持ちに。

 だけど。
 飛鷹先生は教師だから。
 いけないと思っていた。
 そういう気持ちを持っては。

 だから。
 色恋のことは後回しにして。
 思いきり部活に打ち込んだ。

 ただ。
 軽音楽部のことが好きなのは本当。
 だから打ち込むことができている。


 だけど。
 飛鷹先生に想いを打ち明けられて。
 私の心の奥底に眠っていた気持ちが……。

 もう……無理かも……。
 自分の気持ちを偽ることは……。

 このまま心の中に本当の気持ちを眠らせ続けることは……。

 だから……。


「……私も……」


 素直に。


「……飛鷹先生……の……ことが……」


 本当の気持ちを……。


「……好……き……です……」


 ありのままの想いを。
 飛鷹先生に……。