「……いいよね?」


 え……?


「受け入れてくれたと思っても」


 ……?


「俺のことを」


 え……。


「逃げないということは」


 ……‼

 ひっ……飛鷹先生⁉


「俺は神城の頬を軽く触れているだけ。
 だから逃げようと思えば簡単に逃げることができる。
 でも君は逃げていない。
 それは俺のことを受け入れてくれたと受け取るのが自然だと思う」


 …………。


 いろいろと。
 驚き過ぎて。
 さっきから全く言葉が出てこない。


「……夕鶴」


 突然、下の名前で呼ばれて。
 心臓がものすごい勢いで飛び跳ねた。


 飛鷹先生の表情が。
 再び真剣な表情になる。


 下の名前で呼ばれて。
 真剣な表情で見つめられて。

 私の心臓の動きは激しくなる一方。
 一体どこまで激しくなってしまうのか。
 とても心配になる。



 夕陽の光が。
 さっきよりも強くなってきた。


 飛鷹先生の顔が。
 強くなった夕陽の光に染められている。

 その顔も。
 とても魅力に溢れている。


 そんな飛鷹先生の魅力に。
 引き込まれた。


「……好きだ」


 そのとき。
 打ち明けられた。
 飛鷹先生から……。


「夕鶴のことを初めて見たとき、
 俺は一瞬で心を奪われた」


 真剣な眼差しで。
 真っ直ぐな想いを……。