そうだ。
きっと。
飛鷹先生の悪ふざけ。
そう思った。
けれど。
私のことを見ている飛鷹先生は。
とても真剣で。
とても悪ふざけしているようには思えなかった。
とても澄んでいて純粋な子供のような飛鷹先生の瞳。
その瞳は、とても大きな魅力を感じる。
そんな瞳で見つめられると……。
まるで魔法にかかってしまったかのように。
飛鷹先生の瞳から目が離せなくなる。
目だけではない。
飛鷹先生の瞳の魅力の魔法が全身に行き渡って。
身体全体が動けなくなってしまった。
確かに魔法とはいっても。
それは例えで。
本当の魔法ではないのだから。
動こうと思えば動けるのかもしれない。
でも。
今の私は。
動くことは難しそう。
飛鷹先生の目力が。
あまりにも強すぎて。
とてもじゃないけどかなわない。
飛鷹先生と見つめ合って。
どれくらい経ったのだろう。
って。
本当は一分も経っていないのだと思う。
けれど。
気持ちは。
何分も経っているように感じた。
「神城に訊きたいことがあって」
そう思っていると。
飛鷹先生が再び口を開いた。
飛鷹先生が話し出してくれて。
なんとなくだけど。
少しだけほっとした気持ちになった。
それだからだろうか。
少しだけ緊張感が和らいだような感じがして。
飛鷹先生の魔法が解けたかのように少しだけ身体を動かすことができた。
それにしても。
私に訊きたいこと……。
なんだろう。