「それにしても」


 自分の世界に入り過ぎていた。

 飛鷹先生の声で我に返った。


「正直なところ、ここに神城一人しかいなくて本当によかったと思ってる」


 え……?


 飛鷹先生の言っている意味がよくわからなくて。
 何て言えばいいのか迷っていると。


「そうじゃなかったら、どういう理由をつけて神城のことを連れ出そうかと思っていたから」


 飛鷹先生……?


 ますます飛鷹先生の言っている意味がわからなくなってしまった。


「さっきは、神城がいる部室を見に来たって言ったけど……」


 ……?


「本当は神城に会いに来たんだ」


 え……。


 私に……?

 会いに……?


 …………。


 意味が……。

 飛鷹先生の言っている意味が……。

 もっと。
 もっともっとわからなくなって……。


 どうして。
 飛鷹先生が。
 私に会いに……?