「可愛い、本当に可愛いな、夕鶴は。
……困った」
……?
困った……?
「こんなにも可愛い夕鶴のことをこうしていると、
もう離したくなくなる」
隼理くん……。
私も。
「ライブの打ち合わせが終わったら、すぐに隼理くんの部屋に戻るから」
隼理くんと同じ気持ちだから。
私も隼理くんと離れたくない。
……あっ。
「そうだ、隼理くんの部屋に帰ってくる前に一度家に戻らなくちゃ」
もう一泊するとなると。
「なんで」
必要だよね。
「着替えを取りに」
一泊分しか持ってきていないから。
「そんなの俺の服を着ればいい」
えっ。
隼理くんの服を?
でも。
「そんなの隼理くんに悪いよ」
「何も悪くないよ。
俺は少しでも早く俺の部屋で夕鶴と一緒にいたい」
隼理くんはそう言うと、より私のことを強く抱きしめた。
「わかった。隼理くんのお言葉に甘えて隼理くんの服を貸してもらうね」
「じゃあ、ライブの打ち合わせが終わりそうなときに連絡して。
迎えに行くから」
「わかった。ありがとう、隼理くん」