「……かっ……」


「え?」


「からかわないでっ。私はそんなに可愛くないからっ」


 そうなりながらも。
 必死に。
 隼理くんにそう言った。


「からかってないよ。
 夕鶴は本当に可愛い。
 何をしていても可愛くて可愛くてしかたがない。
 あまりにも可愛いから、俺の理性のスイッチはいつも壊れそうになる」


 やめて。
 やめて隼理くん。
 そういうことを言うのは。

 そうじゃないと。
 激しくなってしまう。
 私の胸の鼓動。

 高鳴って高鳴って。
 しかたがない。


「やっぱりダメ……恥ずかしい……」


 胸の鼓動が高鳴り過ぎて。
 そのせいか。
 身体中に激しく血液が回り。
 まだお風呂に入っていないのに。
 のぼせた状態になってしまいそう。

 それだからか。
 立つこともやっとになってしまう。


「もうダメ……夕鶴、本当に可愛すぎ。
 こんなにも可愛いから離したくなるわけがない。
 ずっとこうしていたい」


 私も。
 私も隼理くんと離れたくない。

 でも。
 ライブの打ち合わせがあるから。
 その支度をしなくては。

 だから。
 まずはお風呂に入りたい。

 でも。
 隼理くんと一緒に入るのは。
 ものすごく恥ずかしい。

 だけど。
 隼理くんと一緒に入ると言わないと。
 隼理くんは私を離してくれそうにない。

 どうしよう。
 一体どうすれば……。