それから数分経った。


「夕鶴」


「うん?」


「風呂に入ってくる」


「うん。私は朝ごはんの準備をするから」


 そう言った私はベッドから出ようと、くっつき合っている隼理くんからやさしく離れ始めた、ら……。


 ……‼


 隼理くんが突然、私の腕を掴んで。
 再び隼理くんの方にグッと引き寄せられた。

 私は驚きながら隼理くんの顔を見た。

 そのとき隼理くんも私のことを見ていた。


「夕鶴」


 隼理くんの甘い声。


 何度聞いても。

 隼理くんの、この甘い声に。

 私は、いつも。

 いつも、とろけてしまう。



 隼理くんの甘い眼差し。


 この眼差しも。

 いつも私をとろけさせる。





 甘い声。
 そして。
 甘い眼差しも。

 どちらも私にとって。
 とても心地良い。



 と、感じているのに……。