「だ~め、まだ行っちゃ」


 私のお腹のところに触れていた手が……。

 徐々に……。

 徐々に上の方へ……。


「こういうことするの初めてじゃないのに、
 いつも初めてみたいな反応するから、
 ほんと可愛いな、夕鶴は」


 隼理くんはそう言いながら。
 見えない位置からなのに。
 器用に私のパジャマのボタンを上から一つずつ外していく。


「しゅっ……隼理くんっ」


「夕鶴が早々とベッドから出ようとするからだよ」


「えっ?」


 隼理くんっ、それは一体どういう……っ?


 私がベッドから出ようとしたのと。
 今、隼理くんが私のパジャマのボタンを外しているのと。
 一体何の関係があるのっ⁉


 私がそう思っている間に。
 私のパジャマのボタンは。
 あっという間に全て外されてしまった。


 そのあと隼理くんは、私のことをぎゅっと抱きしめた。


 パジャマのボタンを全て外され、思いきり抱きしめられる。


 隼理くんにそんなことをされている私は胸の鼓動が高鳴る一方。


「隼理くん……」


 ドキドキ……。

 ドキドキし過ぎて心臓がどうにかなりそう。


 だから、これ以上ドキドキすることは……。

 と、思っているのに……。


「……後ろから抱きしめているのもいいけど……」


 え……?


「やっぱり夕鶴の顔が見えないのは……」


「……っ‼」


 それは。
 また、あまりにも突然過ぎて。

 私は驚きのあまり声が出なかった。