「さっき俺がやった感じでやってくれればいいから」


「さっ……さっき隼理くんがやった感じって……」


 そんなこと覚えていないっ。

 だって、そのときは……。

 って、思い出しただけでも恥ずかしくなってくる~っっ。


「だから、こんな感じ」


 ……っ‼


「可愛い。
 そんな声を出されると、もっとしたくなる。
 でも今は夕鶴にするんじゃなくてされたいから」


 しゅっ……隼理くんっ。
 そんなことを言われても私は無理だからっ。


「まず口を肌につける前にこうすると、
 きれいに印が付きやすくなるよ」


 ……っ‼


 だめ……。

 すごく。
 ものすごく、くすぐったい。

 隼理くんが。
 私の首筋に。
 やさしく舌を滑らせてペロッとしたから。


 どんなに抑えようと思っていても。
 隼理くんに触れられると。
 全身が異常なくらいに過敏に感じてしまう。

 快感に包まれて。
 そこから抜け出すことができない。
 ……じゃなくて。
 抜け出したくない。


「……今度は夕鶴のばん」


 隼理くんの甘く艶っぽい唇の仕草。
 それが私の首筋から離れ。
 その後、隼理くんは色気たっぷりの声のトーンでそう言った。


「俺はここに付けてほしい」


 そう言って隼理くんは腕を見せて。
 二の腕の内側を人差し指で示した。


「……隼理くん……
 本当に……?」


 隼理くんが私にしたこと。
 それと同じことを。
 本当にした方がいいのか。
 判断に困ってしまい……。


「うん、本当に」


 ……どうやら。
 本当……らしい。