私が素直になったとき……君の甘過ぎる溺愛が止まらない




 亜南くんの両腕で支えられていた身体は。
 いつの間にか亜南くんの腕の中に……。

 それは。
 亜南くんに包み込まれているような……。

 まるで……抱きしめられている……みたいに……。


 ……みたい、じゃない。
 抱きしめられている……。


「あっ……亜南くん……?」


 驚き過ぎて。
 亜南くんの名前を呼ぶことが精一杯。


「……こうしたかった」


「え……?」


「ずっと」


 亜南くん……。


「もう少しだけ」


 強くなる。


「こうさせてください」


 亜南くんの抱きしめる力が。


 初夏の風が。
 私と亜南くんをやさしく包み込む。

 私と亜南くんは無言のまま。
 風に吹かれて緑の葉たちが触れ合っている音がやさしく聞こえている。


 それと同時に。
 私の心臓の音も聞こえてしまいそう。

 今の私の胸の鼓動は。
 とても忙しくなっている。

 抱きしめられている時間が長ければ長いほど。
 そのスピードは早まる一方。

 これ以上、早まったら、どうにかなってしまいそう。


「……してる……?」


 え……?


「ドキドキ」


「え……‼」


 ばっ……バレていた……⁉


「俺も」


 ……?


「ドキドキしてる」


 あっ……亜南くんっ。

 そんなことを言わないでっ。

 ますます激しくなってしまう。


 心拍数が上がるにつれて、身体中の体温もぐんぐんと上がっていく。

 のぼせてしまう。
 このままだと。