「遥稀さんは松尾様のことを同級生だと言っていました。
 ……本当に……それだけの関係なのですか……?」


「え……?」


「申し訳ありません。
 お客様にそのようなことを」


「大丈夫。
 気にしないでください」


 と、言ったけれど……。

 びっくりした。
 正直なところ。
 そんなことを訊かれて。

 そう思ったのは確か。
 なのだけど……。


 それと同時に。
 この店員さん……政輝さんの気持ち。
 それを感じてしまった……から。

 たぶん……いや、確実に。
 政輝さんは遥稀のことを……。


 だから。
 そういうことを訊かれることは。
 不思議ではない……のだろう。


「僕と遥稀は同級生、
 それ以上でもそれ以下でもありません」


 俺と遥稀の関係。
 本当のことを政輝さんに伝えた。


 だけど……。

 なんだろう。
 この気持ち。

 本当のことを伝えた……伝えてしまった、こと。

 だからだろうか。
 なんか……。
 心の中が……。
 モヤモヤしているような……。
 何かが(つか)えているような……。

 どうして、そんな気持ちに……。

 ……もしかして……。
 後悔……している……?