まさか……‼
 まさか、この女の子が……⁉

 そう思っても確証はない。

 だけど信じたい。

 そうじゃないと。
 もう二度とこんなチャンスはないかもしれない。

 だって。
 ずっとずっと待ち望んでいたのだから。

 そして。
 ずっと、ずっとずっと会いたかった。

 十年前のあの日から。
 ずっとずっと。
 ずっと君に会いたかった。

 だから。


「……あの……」


 かけてみることにする、声を。
 勇気を出して。


「突然話しかけてごめんね。
 今、少し話しても大丈夫?」


 まず女の子にそう訊いた。

 そして女の子の反応を見る。


「うん、いいよ。
 私も君に声をかけようと思っていたところなんだ」


 ほっ……本当に⁉
 本当に俺に声をかけようと思ってくれていたのっ⁉

 ということは。
 やっぱり、この女の子は……。