俺と同じくらいの年齢の女の子。
俺は一瞬、その女の子のことを見て……。
あれっ……⁉
身体がまだ固まったままのせいか。
女の子のことをじっと見てしまっている。
だから女の子は俺の視線に気付かないはずがない。
俺の視線に気付いた女の子も俺のことをじっと見つめた。
だから女の子の顔がはっきりと見えた。
大きく、くりっとした瞳。
ふんわりとしたきれいな髪。
目と鼻と口のバランスは、とても良く整っている。
これは、まさに絶世の美女……いや、見た目は俺と同じくらいの年齢なのだから美少女といった方がいいのか。
……あれ?
こんなふうに思ったのって、確か前にも……。
そうだ。
十年前のあの日だ。
あのとき俺は、この場所で全く同じことを思った。
十年前のあの日から会いたいと思っているあの女の子に……。