十時半頃に起きて、カーテンの中で制服に着替え、休み時間に一度教室に戻った。

 クラス全員分の視線が一瞬そこに止まり、すぐにもとの友達のところに戻って、何でもないように話し出す。
 
 この光景もだいぶ慣れた。ロッカーに体操着を戻して、次の授業の教科書を出し、机に着いてノートを開くと、デイケア組時代に夏央たちから熱心に聞き取った、メモの殴り書きが残っていた。
 
 そっか、このノートにも書いてあったっけ。
 あちこちの授業ノートにいろいろなことを書いてきたせいで、どのページを切り取ってファイリングしていたのか、すっかり忘れてしまっている。
 
 ペンケースからカッターを取り出し、メモの欄を切り取る。多少ガタついてしまったが、割ときれいに切り取れると、鞄に毎日入れているファイルに、新しい一枚を入れた。
 
 大人になればきっと変わるよ。
 
 いつか誰かが言っていた。
 誰の台詞だったのか、もう記憶が定かではない。