翠に会うことに、佳純の心も高鳴っていた。夕莉の幸せを願っている自分も嘘ではないと言い切れるが、翠に恋心を抱いていることも否定できなかった。結局何一つ行動に移せなかったけれど、会えるかもしれないという期待だけでよかった。
廊下を抜けて校舎の南側に着き、グラウンドを見渡せる一、二、三組の教室に向かった。二組はちょうど真ん中にある。
夕莉の視線が落ち着かない様子できょろきょろとしている。佳純も心臓の鼓動が速くなって、二人は自然と手を握った。
夏央と冬華の後ろをついて歩くように、互いの足取りは頼りなげにふらついていた。
受付係の一年生が二人、クラスの前にいた。机について「どうぞ寄ってくださーい」と明るく宣伝している。夏央たち上級生が近づくと、一年生たちはちょっと緊張気味になって姿勢を正した。
「急に悪いんだけど、青花翠ってこのクラスだよな?」
一年生は顔を見合わせて「はい。一応」と意味深な台詞を放った。
「一応?」
夏央がきょとんとして聞き返すと、「あ、いえ、何でも。青花君はこのクラスです」と一年生はあわてて訂正した。
廊下を抜けて校舎の南側に着き、グラウンドを見渡せる一、二、三組の教室に向かった。二組はちょうど真ん中にある。
夕莉の視線が落ち着かない様子できょろきょろとしている。佳純も心臓の鼓動が速くなって、二人は自然と手を握った。
夏央と冬華の後ろをついて歩くように、互いの足取りは頼りなげにふらついていた。
受付係の一年生が二人、クラスの前にいた。机について「どうぞ寄ってくださーい」と明るく宣伝している。夏央たち上級生が近づくと、一年生たちはちょっと緊張気味になって姿勢を正した。
「急に悪いんだけど、青花翠ってこのクラスだよな?」
一年生は顔を見合わせて「はい。一応」と意味深な台詞を放った。
「一応?」
夏央がきょとんとして聞き返すと、「あ、いえ、何でも。青花君はこのクラスです」と一年生はあわてて訂正した。