冬華の組のアトラクションは、人生ゲームだった。升目に沿って「イエス」か「ノー」かで答え、矢印の方向へ進み、各自用意されているゴールへ向かう遊びだった。佳純の人生は仕事で成功を収めるタイプのゴールで、夕莉の人生は、愛する人とともに暮らして子沢山の人生を送るというゴールだった。二人はおかしくなって互いに笑い合った。
楽しかった。文化祭の充実感は兄たちの様子を見て知っていたが、ここまで生徒が主役で盛り上がる行事を経験したのは、初めてだった。
二人の学年の出し物を参加し終えて、夏央と冬華が、次はどこを見て回るか打ち合わせを始めた。
「お二人とも、仲いいですね」
ふいに夕莉が口を開いた。二人はきょとんとした顔をした。
「何でボランティア部に入ろうとしたんですか?」
夕莉は純粋に疑問を口にしていた。佳純も二人の答えを聞きたくて目を向けた。
「んー、ここじゃ何だからちょっと場所変えようか。そんなに大した理由じゃないんだけどね」
楽しかった。文化祭の充実感は兄たちの様子を見て知っていたが、ここまで生徒が主役で盛り上がる行事を経験したのは、初めてだった。
二人の学年の出し物を参加し終えて、夏央と冬華が、次はどこを見て回るか打ち合わせを始めた。
「お二人とも、仲いいですね」
ふいに夕莉が口を開いた。二人はきょとんとした顔をした。
「何でボランティア部に入ろうとしたんですか?」
夕莉は純粋に疑問を口にしていた。佳純も二人の答えを聞きたくて目を向けた。
「んー、ここじゃ何だからちょっと場所変えようか。そんなに大した理由じゃないんだけどね」