すぐに夕莉に連絡をして、返信メールを打った。夕莉のほうにもメールが行っていたらしく、二人で喜んだ。

 学校から帰って家でくつろいでいた時に、急な嬉しい知らせが届いたので、佳純は夕莉と長電話をした。

「嬉しい。夏央先輩たち、忙しいのに」

 夕莉は心底嬉しそうに弾んだ声で言った。佳純も「楽しくなりそうだね」と笑った。

「先輩たちと一緒なら、お兄ちゃんのクラスの出し物に寄っても、嫌な顔されないかなあ」
「大丈夫だよ。翠君ががんばっている姿見たら、いい刺激受けると思うよ」

 佳純が興奮して言うと、夕莉も「だといいなあ」と可愛らしい声を出した。

「ねえ、佳純」

 夕莉が改まった声色をした。

「ん?」
「どうして、お兄ちゃんは私から離れていったのかなあ」

 その声には、悲しみや恨みといった負の感情は、感じられなかった。純粋な疑問を問うている声だった。

 佳純はどう返したらいいのかわからず黙っていると、夕莉は訥々と語り出した。

「小学校を卒業したら一緒に死ぬっていう約束、けっこう本気で信じていたんだけどなあ。あ、今はそんなこと一ミリも思ってないよ?」
「うん」