小沼が嘘を……?


そんなはずはない。


もしあたしたちの推理が外れていたのなら、自白なんてする必要もないんだから。


「こんなものが見つかりました!」


土を掘り起こしていた1人の警官が小さなカードを持ってやってきた。


無理やり覗き込んで確認してみると……。


《いいプレゼントをありがと☆


スキーはまた今度しようね》


女の子の、丸文字でそう書かれていたのだ。


「これって……!」


「また出たか、キャッツアイ」


警官がため息交じりに言う。


「キャッツアイ?」


弥生が聞き返す。


「ここ1年ほど前から女泥棒が出てるんだよ。すばしっこくて巧妙で、だからあだ名はキャッツアイ」


キャッツアイ……。


『山に現金はあるんですか?』


あたしは弘子の一言を思い出していたのだった。



END