「広畑弥生です。スキーをするために来ました」


その場で立ち上がり、簡単に自己紹介をする。


「いくつですか?」


聞いてきたのは女性だ。


「17歳の高校2年生です」


「それじゃ、あたしと同じくらいですね」


女性が目を輝かせて言う。


同時に立ちあがり、全員へ向けて会釈をした。


「あたしは酒江弘子(サカエ ヒロコ)って言います。地元の高校の3年生です」


3年生ということは、18歳くらいだ。


その後、あたしはすぐに立ち上がった。


この流れで自己紹介してしまった方が気楽だ。


「あたしは弥生の友達の柴本紗也香(シバモト サヤカ)です。同じ高校2年生です」


「若い子ばかりでこちらも嬉しいですよ」


そう言ったのは松野さんだった。


「松野さんはおいくつなんですか?」


さっきから感じていた疑問をぶつける。


「これは失礼、私は35歳になります。料理の腕はまだまだなんですが、ここのオーナーと知り合いで、任せられています」


照れ笑いを浮かべながら言う松野さん。


思っていたよりも年上だったことに驚いた。