「久藤さんの首には2種類の紐の跡が残っていたんです。つまり、誰かに首を絞められて殺された後、自殺に見せかけてロープに吊るされたんです」
そこまで言っても、小沼さんは表情を変えなかった。
ただ腕組をして、ジッと話を聞いている。
「か、確認したの?」
弘子の質問に弥生が頷いた。
「最初、首吊り自殺する人が椅子を使ってないのはおかしいなぁと思ったんです。それに、久遠さんは指先に怪我をしていました。途中で死ぬのが怖くなって暴れたのかもしれない。そう思ったけれど、窓枠にもロープにも血はついていなかった。きっと、犯人に首を絞められているときに抵抗して、怪我したものだったんでしょう」
弥生が早口で説明を続ける。
「だけど部屋は密室だった。自殺以外に考えられない」
そう言ったのは小沼さんだった。
ようやく発した言葉がそれであったことで、小沼さんが犯人である確信が強まっていくのを感じる。
「そうです。だけどスペアキーがあったとしたらどうですか?」
あたしの言葉にさすがに小沼さんは動揺を見せた。
そして松野さんへ視線を向ける。
松野さんの体は緊張でこわばるのがわかった。
そこまで言っても、小沼さんは表情を変えなかった。
ただ腕組をして、ジッと話を聞いている。
「か、確認したの?」
弘子の質問に弥生が頷いた。
「最初、首吊り自殺する人が椅子を使ってないのはおかしいなぁと思ったんです。それに、久遠さんは指先に怪我をしていました。途中で死ぬのが怖くなって暴れたのかもしれない。そう思ったけれど、窓枠にもロープにも血はついていなかった。きっと、犯人に首を絞められているときに抵抗して、怪我したものだったんでしょう」
弥生が早口で説明を続ける。
「だけど部屋は密室だった。自殺以外に考えられない」
そう言ったのは小沼さんだった。
ようやく発した言葉がそれであったことで、小沼さんが犯人である確信が強まっていくのを感じる。
「そうです。だけどスペアキーがあったとしたらどうですか?」
あたしの言葉にさすがに小沼さんは動揺を見せた。
そして松野さんへ視線を向ける。
松野さんの体は緊張でこわばるのがわかった。