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「窓の鍵?」


昼食の準備をしていた松野さんが手を止めて考え込んだ。


料理室はランプで照らされていて薄暗いが、いい香りが漂っている。


「確か、閉まっていたと思います」


顎をさすり、記憶をたどるように目を細めて答える松野さん。


「じゃあ、完全に密室だったんですね?」


「そうですね。どうしたんですか? まさかなにか疑っているんですか?」


松野さんは険しい表情になって聞いてきた。


あたしと弥生は一瞬目を見かわせた。


松野さんのことは信用できる気がする。


だけど易々と自分たちの考えを話すわけにはいかなかった。


なにせてんで見当違いである可能性だってあるんだから。


「なにかあったのなら、聞かせてもらえませんか?」


「ごめんなさい。まだ確信じゃないので」


あたしはペコリと頭を下げて料理室を後にしたのだった。